すみれの蕾

メーカー
美蕾  (2009年03月13日発売 【Win】18禁)


ストーリー
高校3年生の春、服飾に関心を持つ早坂サツキが自分の所属する手芸部が廃部になってしまったことから、ふとしたキッカケで入部することになった演劇部。
そこは女子生徒が憧れる男子生徒の集う場所でしたが、別名 【惨劇部】とも呼ばれ一種の魔窟でもありました(笑)
サツキと同学年の彼らに散々、雑用係としてこき使われる毎日でしたが、段々と部活動にも部員にも愛着が湧いてきた頃には卒業を迎えます。

4年後。憧れの<ステラ歌劇団>衣装部に就職することが出来たサツキの前に、今はそれぞれの道を歩んでいた元演劇部仲間が職場の「関係者」として現れることになりました。
それは、学園時代には気づかなかった、気づけなかったそれぞれの想いが交差し、自分自身にも恋愛にも臆病になっているサツキを包み込むような毎日の始まりでした。
サツキは「彼」の想いに応えることができるのでしょうか。
そして、「彼」の抱える悩みを一緒に癒してあげることはできるのでしょうか。

すみれの花開く頃、サツキの選んだ先には----。


ゲームの流れ
【学園編】
 選択肢を選び、同じ演劇部の「彼」の好感度を上げて恋愛ENDを目指します。

【歌劇編】
 選択肢& MAP移動をしつつ、学園卒業から4年。同じ職場となった「彼」や、街中でいつも
 出会う「彼」の好感度を上げて恋愛ENDを目指します。


システム
主人公の名前変更可能。
 
但し、デフォルトでも名前は呼ばれません。「メガネ」とか「君」とかです。
主人公ボイスのON ・ OFF が可能。
スチル鑑賞 & シーン回想有です。
まず、【Prologue】をプレイしてショートストーリーをクリアすると、【学園編】【歌劇編】が解放されます。
全シーンを回収すると 【Extra】がOPENし、キャラクターの座談会を見ることができます。

【学園編】
選択肢を選んで、攻略キャラの好感度を増減させるアドベンチャー形式。
攻略キャラ1人に、3〜5種類のENDが用意されています。
基本的に「プラトニックラブ」です(笑)

【歌劇編】
選択肢 & MAP移動で、攻略キャラの好感度を増減させるアドベンチャー形式。
MAP移動では、移動先にキャラアイコンが表示されます。
攻略キャラクター1人に、4〜6種類のENDが用意されています。
成人イベントも攻略キャラクター1人に、未遂イベントが3種類ほど。
  行為イベントが3種類ほどパターンが用意されています。
イベントスチルが綺麗です^^

【キャラクター専用ルート】
歌劇編で特定のENDをクリアすると解放されます。
攻略キャラ1人に、2〜4種類のENDが用意されています。
基本的に、シナリオ重視。プラトニックラブです。

同じタイトル内に 【学園編】【歌劇編】【専用ルート】 が入っていますので、例えば「学園編」で恋愛ENDを迎えても、それは「歌劇編」には反映されません。
  元演劇部仲間、というスタンスから始まります。


総評 ★★★★★
素晴らしい作品でした(T-T)!!
自分の中で、美蕾さんでは『星の王女』無印を越える作品はもうないだろう、と思っていたのですが……。
キャラクター造詣もシナリオも実に秀逸で、とっぷりと作品の世界へ惹き込まれていきました。

成人タイトルですが、上記で説明しましたようにアダルトシーンがあるのは3部構成のうち、【歌劇編】だけとなっております。
それでも充分に満足できるシナリオの深さ、何より【学園編】のあどけなさの後にプレイする【専用ルート】では……驚くばかりの感動が待っていました。
成人描写はCGも雰囲気を壊すことなく、むしろキャラクターへの愛情が深くなる出来映えのものばかりです。
まぁ、いろいろなパターンがありますので、愛情深いものがあったり、無理やりっぽい描写のものもありますが……。
主人公のサツキちゃんが愛されまくっていて嬉しいこと、この上ないです(T-T)!!
サツキちゃんの外見は、ほぼ「あのまま」でストーリーは進行します。
彼女が綺麗に羽ばたくのは恋愛ENDか成人描写の時となっており、それも「二人だけの」という感じがして好きでした^^

ゲーム性ということだけで見ても、シナリオが練りこまれ、END数もルート数も満足のいく仕上がりばかり。
ただ、
個人的に残念だったのが、好きなキャラクターのTrueENDでゲームを終了できないところでした。
全ENDを集めなければそれも可能なのですが、Memoryをコンプリートしようとすると必ず、ノーマルENDを最後に見なければいけない仕様になっているんです。
内容自体はライトですので、一つのエンディングと割り切れば…納得できるかな?
でも、あのENDが最終的なものとは思いたくないです(T-T)

成人タイトルが苦手ではないのなら、シナリオ&キャラクターに秀でている本タイトルを是非!! お勧めしたいです(
*^-^*)!!


登場キャラ(cv)
鈴城カナデ(cv.先割れスプーン) … 幼馴染み & ピアニスト。
  サツキが恋に臆病になってしまった原因を作った人物。
  分かりやすく、愛情を持って彼女をイジめます(笑)

夜凪トウワ(cv.皇帝) … 演劇部副部長 & 演出家。
  サツキをパシリにしていたヒドイ人。常に建設的な行動を求める。

東 清一郎(cv.プログレス) … 演劇部部長 & 歌舞伎役者。
  人生の総てを歌舞伎においている人。サツキに一目惚れをしています。

日下部ハル(cv.平井達矢) … 演劇部員 & 小説家、脚本家。
  物静かな人。いつもサツキのことを気遣ってくれていました。

ユキ(cv.木島宇太) … 演劇部員 & 大道具担当。
  明るい笑顔を絶やさないムードメーカー。サツキにも最初から好意を持って接してくれます。

(2010.03.12 UP)