夏空のモノローグ











メーカー

オトメイト(2010年07月29日発売【PS2】)
「夏空のモノローグ」のバナーに使用されている画像の著作権は、アイディアファクトリー株式会社様に帰属します。



ストーリー

土岐島高校2年、科学部所属の小川 葵(16歳)は、原因不明の記憶喪失に陥り、1年前までの記憶が空洞となってしまいました。
「自分自身」を空ろに感じている葵は家庭にも学校にも馴染めず、記憶のない自分の専任講師として導いてくれた浅浪が顧問を務める科学部だけを心の拠り所にしています。
けれど、その科学部も明日、7月30日で廃部となることが決定してしまいました。
科学部最後の活動として、土岐島町にそびえ立つ謎の建造物 【ツリー】 の歌声を確かめに行くことにした葵たち一同でしたが、深夜のツリー広場に集合したメンバーの前で物悲しくもどこか懐かしい荘厳な歌声を響かせるツリー。
感動のうちに解散したメンバーを待ち受けていたものはーー。
「明日のない今日」。
科学部が廃部となる前日である、7月29日の永続的なループ現象でした。
何故か科学部メンバーのみが、ループ毎の記憶を持ち越せることが判り、科学部の絆は更に深まります。

希望の持てない明日に臆病になっている葵は、繰り返す7月29日を「彼」と過ごすうち、次第に明日を迎えることを考え始めるようになりました。
葵は「彼」のために。そして、自分自身のために、7月29日を飛び越えることが出来るのでしょうか。
明日を迎えるとき、傍らに居続けた「彼」との関係はどのように紡がれているのでしょうか。



ゲームの流れ

選択肢を選んで該当キャラクターの好感度を上げつつ、ループからの帰還。更に、恋愛ENDを目指します。



システム

主人公の名前変更可能。但し、デフォルトでも名前は呼ばれません。無音で進みます。
主人公ボイスはありません。
CG鑑賞 & シーン回想有です。シーン回想はCG鑑賞コンテンツに内蔵)

股掛けENDは存在しないので、一途プレイのみ。
共通シナリオ内に【LRCシステム】が5回入ります。
【LRCシステム】(=ループ研究会議)
*
画面上に3枚のLRCカードが表示されますので、お好きなカードを選んでイベントを進めていきます。
* 周回毎に新規カードが増えていきます。
(ここでしか入手できないイベントCG&カット有り)
(どのカードからCG&カットを入手できるかはキャラクターによって異なります)
共通シナリオ内で好感度の一番高いキャラクターが決定すると、該当キャラクターの個別シナリオが展開。
* 個別シナリオ内は選択肢のみの出現となり、【LRCシステム】は挿入されません。

恋愛ENDは1種類。
* 該当しない場合は【共通ノーマルEND】となります。
【ツリーピース】
→ 恋愛ENDをクリアしていくと、順次解放されていくAnotherシナリオ。
* ネタバレシナリオではないので、出現した毎に読んでいくとストーリーの背景がより分かりやすくなっていると思います。
CGコンプによる【ご褒美CG】有り(≧ω≦)vv



総評 ★★★

本当に「★3.5」でいいの? 「★4」でもいいんじゃない?
と、評価を悩みに悩んだタイトルです〜(>_<)
それでも上記の評価にした訳はネタバレ部分となりますので、いずれネタバレレビューで記載したいな、と思います。

私が今までプレイしたオトメイトさんの作品とは一線を画している感じのシナリオ構成で、いやもう泣きました〜(T-T)!!
このタイトルは、「7月29日を繰り返す」というループ現象の中で過ごす学園モノなのですが、題材はファンタジックなものの中身の学園生活は地に足をつけた、実に安定した生活描写なため、久しぶりに真っ当な学園モノを堪能できたなぁ、って満足感でいっぱいです^^

学園モノとは言っても主人公 ・ 葵ちゃんの設定もそうですが、何より攻略キャラクターの抱えているそれぞれの問題が絡んだシナリオ内容には胸打たれること必至(T-T)!!
共通パートでは科学部のメンバーで楽しく賑やかに過ごして、皆の信頼関係に頬が緩みます^^
それなのに……そこから一転して専用パートのシナリオ展開と言ったら!!
外れのキャラクターはいません。
どのキャラクターの専用シナリオも素晴らしいものばかりでした(T-T)vvvv
こんなに一人ひとりのシナリオをじっくり堪能できるタイトルも久しぶりだと感動したものです。
逆に言えば、切なく胸を締め付けられ、涙と共にあるようなシナリオ展開が苦手な方には向かないのかもしれません。

あ。でもですね。失恋ENDが待ち受けている、などということは決してありませんのでご安心を。
どのキャラクターも葵ちゃんときちんと向き合ってくれますし、未来を共にしてくれます^^
ただ、攻略キャラクターが抱えている問題や悩みは、葵ちゃんと両想いになってからもそのまま続いていく、という形となることが大半ですので、その事象に涙が滲んでしまうのです(T-T)
だからこそ余計に忘れがたいキャラクターに出逢えることにもなりました。
(攻略キャラクターが大好きで、応援バナーも大きいサイズを貼り付けてしまうほどですから^^;)
そして、もう一つプレイ前の方へ前知識としてお教えしておきたことは、

このタイトルはエピローグなしです。

ということ。
何故、後日談がないのかは最後までプレイすると解明されますが、
ループ現象を「彼」と乗り越える」という場面でゲームが終了しますので、プレイヤーの正直な感想としては、やはりその後の彼らが見たかったな、とは思ってしまいます^^;

システムは快適ですし、【LRCカード】選択画面以外はいつでもどこでもセーブできますので、時間に余裕のない方でも楽しめるのではないでしょうか。
初回プレイで 5時間。2周目からは 3時間強くらいのプレイ時間でした。
(私は攻略ページを作成しながらでしたので、純粋にプレイするだけならもっと短いかもしれません)
切ない内容でも大丈夫♪ という方には是非お勧めしたい、素敵なシナリオに出会える逸品ですよ(*^-^*)!



登場キャラ(cv.)

木野瀬 一輝(cv.阿部 敦)土岐島高校2年生。科学部副部長。16歳。
    見た目が怖いためいつも損をしているが、実は面倒見の良い少年。葵を静かに見守っている。

加賀 陽(cv.高橋 直純)土岐島高校1年生。科学部員。15歳。
    葵に猛アタックを繰り返す陽気な男の子。でも、結果はいつも惨敗(笑)

沢野井 宗介(cv.高橋 伸也)土岐島高校3年生。科学部部長。18歳。
    破天荒な思いつきでメンバーを振り回す張本人。無駄に超越した才能に溢れている。

篠原 涼太(cv.代永 翼)土岐島高校1年生。科学部員。15歳。
    物静かな印象を受けるが、口を開くと毒舌が飛び出す。
    他者と一線を引いているようで、人との関わりを求めているような少年。

浅浪 皓(cv.井上 和彦)土岐島高校化学講師。科学部顧問。28歳。
    ダメダメに見えるけれど、それは生徒に「こんな大人になっちゃ駄目だぞ」という反面教師の姿勢を常に
    実行している生徒思いの先生(笑)


綿森 楓(cv.岡本 信彦)18歳の容貌の傍観者。
    葵の前に現れる、ループの中でも記憶を維持し続ける不思議な存在感の青年。

(2010.08.11 UP)