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夏空のモノローグ
本作の重大ネタバレ部分にも触れておりますので、プレイ済みの方を対象に 記載しております。それでも宜しい方のみお読み下さい。 |
実に素晴らしいシナリオでした〜(T-T)!!!! 買いますよ。こればっかりは、PSPに移植されても買いますよッッ。 だって、家族に気兼ねなくいつでも何処でも、篠原くんに会いたいんですものッッ(≧ω≦)vvvv 自分だけの小さな画面で、篠原くんを堪能したくて仕方ないのです!! 最初、『夏空』を知ったときには、「TAKUYOさんの 『ソラユメ』 と似たような設定だな〜」と思っていたのですが、いざプレイを始めてみると確かに【ループ現象】は同じですが、それ以外のファンタジック要素は少なく、地に足をつけた学園生活を楽しめること。 何より、主人公 ・ 葵ちゃんの心理描写に頷くこと多数でした!! (「ソラユメ」のシナリオ&攻略キャラクターは大好きなのですけれど、主人公ちゃんが私には微妙だったのです〜^^;) 葵ちゃんはその境遇から、科学部が存在する今日を失ってしまうことが怖くて明日に向かうことを足踏みしているのですが、その胸の内も決してウジウジ感じることはなく、むしろ共感してしまうことが多かったからでしょうか。 後ろ向きかと思えば、思考にどこか芯を感じる。 「自分自身を見つめて、歩き出そうとする潜在意識を持った女の子」、というイメージがあります^^ 「自分自身」を空ろに感じている彼女が、科学部員の攻略キャラクターと距離を縮めていく描写。 二人が近づいた先に胸に芽生える感情。 そして、知ることになる「彼」の抱える問題。 それらを淡々とした文章と、耳に残るメロディラインのBGMで読み進めていくドキドキ感と切なさは、本当に「夏」という季節が合致していて何度涙を流したことか(T-T) 初見では売り要素でもある【VNRシステム】が目にキツかったんですけど(慣れなくて目がチカチカしました ^^;)、文章表示が変わることで飽きも少なくなったと思いますし、何より。 今作では嬉しい「イベントカット」が入手できる瞬間かも♪ と胸が躍ってワクワクしたりしました^^ そうなんです。オトメイトさんの他作 『猛獣使いと王子様』でチビキャラCGもギャラリーに収納して欲しかったなぁ、という願望が叶った感じです!! 二人の距離が縮まる瞬間を描いたカットももちろん大好きですけれど、個人的に部長のカット集を眺めるのが一番好き(笑) 本当に「無駄」に溢れる才能を感じ取れるものばかりで笑いが込み上げますもの(≧ω≦)vv 部長と言えば【LRCシステム】(ループ研究会議システム)も楽しかったですね〜♪ あれで収集本能を刺激された方も多いのではないでしょうか? 私も全選択を試しちゃうくらい燃えましたッッ(≧△≦)b うんうん。ここで欲しいよね、と思う場面だったり、そうかと思えば意外なところでイベントCG&カットが入手できたり。 手探りで進める感じが非常に楽しかったです^^ CG等が入手できなくても、秀逸な描写、セリフがあったりと一つひとつを見ていくことに疲れを感じませんでしたしね。 その時は分からなくても、攻略キャラクターのシナリオを進めると、「あぁ、なるほど」と思う内容があったりと、実に良く作られているなと思いました。 細部まで大切に作られた印象を強く受ける本作は、プレイが本当に楽しかったです!! それなのに……ネタバレなし「紹介」で 【★3.5】 の評価にしてしまった理由が、心に刺さってしまうんですよね。 そこまで考えることではないのかもしれません。 私の性格なのか。思考なのか。年齢なのか……。 理由に関しましては、下に続きますキャラクター語り「綿森 楓」でお話したいと思います。 それまでは、ひたすら感動したことをそのままお伝えしていきますね^^ 結局のところ、何を言っても「夏空」は大好きですから!! ではでは、キャラクター語りに参りたいと思います。 (「夏空のモノローグ」のアイコンに使用されている画像の著作権は、アイディアファクトリー株式会社様に帰属します。また、私の攻略順 & cv. は敬称略で記載しております)
明らかに常識の斜め上を突進していくのが分かる沢野井部長。 こういうキャラクターのシナリオって、そのまま突き進むか意外な伏兵が潜んでいるかの、どちらかだよなぁ、とドキドキしながら進めていきました。 共通パートではやっぱり。 常識を飛び越えていく部長の行動が目立っていましたね〜^^ でも、そんな部長が大好き(笑) ループ研究会の立て看板も毎回見るのが楽しみでしたし。 毎朝、犬に追いかけられている部長の泣き顔も好き!! 逆上がりに「あの」スーツで現れるところも。 同じスーツで屋上に葵ちゃんといる綿森君に殴り込みをかけてしまうところも。 歌を歌わせると心が洗われてしまいそうになるくらい、繊細な歌声を持っているところも!! なんて「無駄」な超越した才能に溢れているんですか、部長〜〜8(≧△≦)8)))) そんなところが愛しくて堪らないキャラクターですvvvv どんなに破天荒でも、その専用シナリオをクリアすると分かる部長の本質を捉えることのできる言動に胸打たれますし、何より葵ちゃんの背中を押してくれる役目がどのキャラクターの時でも格好良い(T-T)!! 木野瀬くんの後押しとはまた違った感じなんですよね。 木野瀬くんは後述するとして、部長の後押しは男性らしさに溢れているんです。 部長と付き合えることになったら、勿論、あの実験の数々には手を焼きそうだけど、決して手を放したくなくなる人だなぁ、って思いました。 寄り添っていられる限りずっと傍にいたい。 そんな風に思える魅力で溢れていました(*^-^*)vv 専用パートに入ると、共通パートでは見ることのできない静かな深い部長を見つめることができます。 自分の胸に秘め続けていた「願い」のために、ツリー観測を続けていた部長。 葵ちゃんがその焦燥に手を触れることが出来そうになったとき、 「恩を感じる必要はない。君も科学部の諸君も、いずれ僕に失望するのだから」 ……しばらくの間、私たちは無言で歩き続けた。 「僕は思うんだ」 「みんなに会えてよかった」 その一端だけを垣間見せて、遮断させられてしまいます。 それでも、葵ちゃんは部長の傍を離れることはできなくて、部長もまた、葵ちゃんが傍らにいてくれることを望むのでした。 ここから続く、部長が過ごしている「研究所」にての二人の静かな。 でも満ち足りたような生活が大好きです。 集中している部長さんは、静かな落ち着いた声で話す。 その声が、広い研究室の空気に溶けて消えていく。 その不思議な寂しさと温かさが気に入っていた。 研究所の居住スペース内で、小さなキッチンと必要なだけの調理器具とで、朝はベーコンエッグ。 落ち着いたときには漂うコーヒーの香り。 夜にはーー 満天の輝く星明かりを見つめて寄り添う部長の温もり。 これらを感じ取ることが出来るシナリオが素晴らしいと思いました。 静かで穏やかな時間を共有し、部長も葵ちゃんも「独りではない」空間を大切なものに感じている中、ついに部長の研究は完成したのです。 これによって部長の願いは叶えられ、二人は部長が望んだ時間軸へと旅立つのでした。 その先に待っていたものは大切な存在を二つに分かつ選択で、部長が選んだのはーー。 無償の愛を与えてくれ、自分も返すことができる存在ではなく。 歩み寄ろうと努力しなければ、近づくことの出来ない。 でも、自分を理解しようと、理解したいと手を伸ばさずにはいられない、片割れとなる存在でした。 …………。 ネタバレレビューとは言いましても、伝えずに済むのであれば極力そのままお伝えすることは避けたいなぁ、と思っておりますので、比喩的な表現で大変失礼致します^^; この時の部長のセリフ、 「救えなかったんじゃない! 救わなかったんだ!」 には胸を抉られましたね〜(T-T) でも、だからこそ。 部長が手を伸ばしてくれたからこそ。 部長と迎えた恋愛EDが一番、夏に相応しい爽やかな満ち足りたものだったと思います。 あろうことか「あの沢野井」と交際を始めてしまった葵ちゃんを心配する浅浪先生に、 「て、てめぇ、こら! まさか俺の可愛い教え子に一服盛ったんじゃねえだろうな!」 「僕の愛の言葉こそが、彼女にとって最上のホレ薬だったと言うわけさ」 と切り返した部長に笑いが零れ、 「これからの人生を、共に歩もう! 小川葵くん!」 と高らかな宣言と共に抱き寄せてくれる部長が大好きでした〜〜ッッ8(≧△≦)8)))) きっと部長は選ばなかった未来のためにも、葵ちゃんを常に見つめ続けてくれると思うんです。 自分がもう一つの選択に後悔を感じてしまった分。 葵ちゃんに後悔を感じさせないためにも。 最後に静かに笑って別れたあの人のためにも。 自分の心を温かくしてくれた葵ちゃんを大切にしてくれるのでしょう。 もちろん、部長なりの愛情表現で(笑) ハイテンションで仲間と走り抜けていく部長も、怜悧な側面も見せてくれる部長も。 底にある寂しいような温かさは一緒だから、部長のシナリオ展開も、部長自身もとても好きです!! 部長シナリオはEDまで大満足で終わることができました(*^-^*)vvvv
グッジョブ!! 井上さん、実にグッジョブです〜〜ッッ(≧△≦)b 井上さんは大好きな声優さんであるものの最近はその役柄が似たり寄ったりで(まぁ、皆さん、井上さんと言えば「あの」素敵ボイスを堪能したいですものね。私もですが^^;)、実は食傷気味だったのですが、そのマンネリを打破した素晴らしい役柄です!! いや〜。声優さんって素晴らしいって改めて思いました。 だって、あの滲み出る やる気のない、ダメ大人っぷり ったら凄いですよ(笑) 「泡立つ麦茶」が大好きで、しょっちゅうプラモばっかり作ってて、格好良いはずなのに外見に気を遣わなくて----。 もう。すっごいスキ〜〜〜〜ッッ8(≧△≦)8)))) こういう男性とですね、結婚できたら幸せだなぁって思います。 部屋の片付けはできなくても料理は出来るし、何より何を大切にすれば良いのか分かっている、というのが一番の魅力。 専任講師の役職をもらうためだとしても、正面から葵ちゃんと向き合って時間を消化してくれた。 保健室という小さな空間で、少しずつ毎日の時間を積み重ねていく上で彼女に手を差し伸べ続ける、という行為を自然にしているのが素敵でした。 これじゃあ、科学部員がどんなに先生を「ダメ大人」と烙印を押しても、葵ちゃんがポジティブシンキングで全てを肯定的に返してしまうはずです。 って、ダメダメ顧問を支持する葵ちゃんの発言の数々が大好きでした(笑) 恐らく同じような気持ちでプレイしていた方も多いのでは、と思います。 いっそ部員と同じようにこき下ろした方が清々しいとさえ錯覚してしまうほど、葵ちゃんの熱弁で先生のダメっぷりが際立ってしまっていたのが何とも可笑しくてお気の毒でしたから(笑) 共通パートで先生のヨレっぷりを堪能した後の専用パートでは、その焼け付くような翔くんを守り抜こうとする気持ちに胸が熱くなりました。 本当に……【一日ループ】が存在していて良かった!! とツリーに感謝しましたよね(T-T) 歳の開きで言えば、先生 ⇔ 葵ちゃん、もそうですが、翔くん ⇔ 葵ちゃんという構図になることだっておかしくはないのに、そこは肉親間の愛情に終始しているところも好き(*^-^*) 「一日ループ」を通して翔くんと葵ちゃんがどんどん仲良くなっていく様子は、実に微笑ましかったです。 実際問題として葵ちゃんにとっては違う一日でも、翔くんには同じ一日なんだから、そんなにすぐ多彩な会話ができるほど打ち解けられるのかな〜、って思ったりもするのですけど、翔くんがたくさん笑ってくれるのなら何でも良いです!! 葵ちゃんも、あんなに「明日」を迎えることを頼りなく感じていたはずなのに、 「なあ、このままループがずっと続くといいよな。あいつ、あんなによろこんでたし」 「私は……最近、ループが終わってもいいかなって思います」 「科学部が終わってしまうのは本当に悲しいけど…… ループが終わらないと翔くんは元気になれませんから」 と先生に言ったときには、素直な心持ちの葵ちゃんに感動しました(T-T)vvvv 本当に……良い子だね〜、って。 先生だって明日に希望を繋ぎたいけれど、明日が来るということは翔くんとの終結も意味していて。 「ループ……ずっと続けばよかったのになあ……」 あと7日間でループ現象は終止すると宣言した部長の言葉に対する、先生のこの半泣きのセリフには目頭が熱くなって仕方なかったです(T-T)!! 先生の苦悩を見ていられなくて、葵ちゃんが部長に直談判しに行く場面も大好きでした。 葵ちゃんの言い分を最後まできちんと聴いてから掛ける部長の言葉も----。 「君は僕を 【強い人】 と言ったが…… 【強い人】 なんてこの世にはいない。 強くあろうと頑張っている人たちがいるだけだ」 って(T-T) 部長ルートをクリアしてから聞いたので、この言葉が深くてもう〜〜〜〜。 部長って何て素敵な人なんだろう、と再認識しました。 先生もこの後、葵ちゃんに心情を打ち明けることで、悲しくて苦しい事象を受け入れようとすることが出来たんですよね。 自分が支えていたつもりの存在、葵ちゃんに救われていたことに気づく先生の告白も大好きです(*^-^*) 「……今までは俺と翔の2人家族だった……これからは俺と翔とお前で、3人家族ってのも、いいかと思ったんだ」 「……妹的なポジションですか?」 「いや……その、なんだ…… 嫁的なポジションで」 くぁ〜〜〜〜//// よ、嫁!!!! 先生、私も喜んで嫁いでいきたいです〜〜〜ッッ8(≧△≦)8)))) って私じゃ無理なんですけど(笑) でも、先生になら安心して葵ちゃんとの未来を託せるなぁ、って思います^^ 最後に、ツリー広場にてループが終止する最後の瞬間。 (翔) 「明日、いい日になるかな」 「なるよ、絶対。次の日も、その次の日も、その次もずっとずっと、いい日だよ」 (翔) 「また3人で、ここで星を見ようね」 この翔くんと葵ちゃんの会話が好きでした(T-T) 翔くんと先生と過ごすことが出来た7日間があまりに幸せで、それが蘇る瞬間だったから。 そして、翔くんの胸の内を思うと余計に……切ないながらも希望を持とう、と思ったEDです。 って、あれ? 先生レビューなのに、翔くんで締めちゃった^^; 先生ルートは弟の翔くんが切り離せない存在なので、翔くんの先生を思う気持ちと、先生が翔くんを思う気持ちに惹き込まれていく内容でした。 翔くんがいることで明日が来ることを引き伸ばしたいとも、でも、明日が来なければ希望を持つことさえ出来ないという相反する葛藤が生じる。 それらが先生の魅力を十分に引き出していたと思います。 もう少し先生自身の「何か」を見たかった、と感じないでもありませんが、恋情と比べることが出来ない程の大切な存在がいる男性と恋をするということは、こういうことなのかな、とも思うことができました。 考えれば考えるほど、暗くなってしまいそうな感情のループを一緒に支えて、そのまま先生を引き上げてくれた葵ちゃんの描かれ方が素晴らしいな、と感じた先生ルートでした(*^-^*)
私の中で高橋さんと言えば、『遙か3』 のヒノエなイメージが強いので今回の陽(ハル)くんには驚きました ^^; や、だって声が幼すぎるかな〜って思ったんですよ。 共通パートではとにかく葵ちゃんにアタックして、それらを歯牙にもかけずに粉砕していく葵ちゃんという構図が見事すぎて(笑) 先生のダメっぷり救済葵ちゃんと同じテンションで、陽くんの好意をスルーしていく葵ちゃんを見ているのが大好きでした(≧△≦)b 他キャラ攻略の際でも、それはもう葵ちゃん好き好きオーラを隠さない陽くん。 彼が何故、そこまで葵ちゃんに惹かれているのか気になって仕方なかったのですけれど、陽くん専用パートで心から納得しました!! 陽くんと葵ちゃんの馴れ初め → 陽くんが葵ちゃんに惹かれる原因となった出来事、だって大好きなのですが、個人的にやっぱり!! 専用パートに入ってからの真剣な、そして柔らかな静寂の中にいる陽くんにきゅんきゅんが止まりませんでした(≧ω≦)vvvv あぁ、ネタバレしたい……!! でも、未プレイで読んでくださっている方のために極度のネタバレは避けたい(>_<) プレイ済みの方になら伝わると信じて婉曲に書いていきますね。 あの、葵ちゃんが初めて陽くんを見つける夕日の中のイベントCGも、カットも大好きなんですよ!! 彼が右手に付けているブレスレットを、ことん。と置く小さな音。 それが耳に残るくらいの静謐な教室。 一途な視線を傾ける陽くんが身にまとう空気は、あまりにも柔らかくてーー。 このイベントでぐっと陽くんの魅力に惹き付けられたんですよね〜(T-T)vvvv そして、陽くんの過去の傷や、自暴自棄になっていた陽くんを知らずに包み込んだ葵ちゃんの言動を知ってしまうと……。 陽くんが学校生活では必ず右手にしているブレスレットを外すのが、あの解放された空間ということに何か意味があるような気がして。 個人的見解なんですけれど。 あのブレスレットは、陽くんが大切な「目的」を「手段」にしてしまっていた過去や自分への戒めなんじゃないか、と感じてしまいました。 それを外して陽くんが「先輩」へと向き合う時間は(勿論、純粋に陽くんの活動の邪魔になるから、という理由もあるのでしょうが)、左手も右手もただ、その純粋な「目的」のためにだけに使う大切な時間ということになるんじゃないかな、と。 もし、そうだったら素敵だな。と……僭越なんですけれどね、思ってしまったのです。 その柔らかな空気のまま、葵ちゃんを見つめる陽くんとが下校している中の会話で、 カガハルくんが笑っているので、どうして笑っているのかと尋ねる。 「先輩が笑ってるからですよ」 という小さな受け答えに、射抜かれてしまって仕方なかったです!! どうして、どうして……。 そんなに大きく葵ちゃんを包むことが出来るのか(T-T) この時にはまだ陽くんの「きっかけ」を知らなかったので、純粋に感動していました。 そして、私と同様に(笑) 科学部にいる時の彼とはあまりに違う印象の陽くんに、どんどん膨らんでしまう葵ちゃんの恋心も大好きでしたねぇ//// それなのに、今度は陽くんが葵ちゃんの気持ちをかわしてばかりで……。 ぐらぐらと揺れ動いてしまう葵ちゃんに、浅浪先生が彼の事情を教えてくれてからの展開は怒涛でしたね!! 陽くんが大きくて明確な夢に向かっていることを知った葵ちゃんは、ますます自分の寄る辺なさに弱気になってしまいます。 それをそのまま陽くんに伝えるシーンが大好きでした。 まだ明日に迎える自信はなくて、今日に留まりたいと思っていると言う葵ちゃんに、 「知ってますよ。先輩」 「それも……知ってます」 と静かに聴いてくれ、穏やかに同調までしてくれる陽くん。 「先輩、間違ってますよ」 「先輩は自分で、昔と今を区切ってしまっただけです。 俺から見た先輩は、今も昔も一緒です」 と更に言ってくれて、うわ〜〜〜(T-T)vvvv と。 この後、陽くんが葵ちゃんに想いを伝えた時も、言葉にしてしまうとさらりとしたものなんです。 「ほんとに、大好きです。先輩」 って。 でも、この言葉をこれだけの想いを込めて言えるようになるまで、どれだけの気持ちを押し殺していたのか。 どれだけの真情と諦めを同時に抱えていたのかと思うと…… 陽くん(T-T)!!!! こんなに素敵な男の子っていないよ〜ッッ。と感動してしまって仕方ありませんでした。 ようやく葵ちゃんに想いが通じたのに、それでもまだ言えないでいる一言。 それを葵ちゃんに教えてくれたが木野瀬くんでしたね。 陽くんルートをプレイするに当たって、葵ちゃんの背中を常に押してくれるのが彼でした。 陽くんに話しに行く口実を本を通して与えてくれたり、陽くんが最後に胸に隠していた一言を伝えてくれたり……。 部長の後押しとは違う、いつも優しさに溢れた気遣いに、陽くんルートで木野瀬くんの立ち位置をぼんやり掴むことができたんです。 明確に知る前で良かった、としみじみ思いました。 彼のことを知ってしまっていたら、ここまで素直に陽くんシナリオにのめり込めなかったと思うので。 そして、木野瀬くんの後押しがあったからこそ迎えられる陽くんとの恋愛ED!! 陽くんのことを待っている。と伝えてくれる葵ちゃんに、 「……なんだろ、なんでこんなに……先輩に迷惑かけてるのに……なんで……」 「なんで俺……こんな、うれしいんだろう……」 と感極まってしまう陽くんの姿に感動しまくりでした(T-T)vvvv これから【一日ループ】が終わると二人は……ですけれど。 それは流れる時間は同じでも、その「濃淡」までは画一じゃない残酷な期間だとも思います。 それでも葵ちゃんが陽くんを信じていられるのなら。 陽くんが自分の還る場所を葵ちゃんだと見失わないのなら。 辿りついた先には、手離すことのできない愛情が待っているのではないでしょうか。 1年前にも、「今」にも葵ちゃんの胸の中にある、人の温かさを見抜ける気持ち。 デタラメに想いを伝えていただけではなかった陽くんの真意。 それらが大好きで堪らなかった陽くんルートでした!!
陽くんルートで木野瀬くんの立ち位置がぼんやりと見えてきましたので、楽しみにプレイしたキャラクターでした(*^-^*)vv プレイしてみて、「あぁ、やっぱり!!」という役柄でしたね〜。 木野瀬くんの立場を考えると……。 陽くんは分かりやすく愛を伝え、木野瀬くんは奥底に秘めつつ葵ちゃんを見守る。という、動と静の違いはあっても根本は同じ、葵ちゃんを思いやるいたわりで出来ていました。 でも、個人的には……もっと自分に自信を持って、臆することなく葵ちゃんを見つめても良いと思うよ。 君にはその資格が十分にあるよ!! と木野瀬くんに伝えてあげたくなったほど……彼は後ろを向いたまま立ち竦んでいるキャラクターでした。 うん、そうですね。 木野瀬くんは専用ルートよりも他キャラ攻略ルートの方が男前かもしれません^^; 葵ちゃんを思うのなら、想い続けたいと願っているのなら。 姿を消すような行動は避けて欲しかったな、と思ってしまったので……。 私のような年齢になりますと、姿を消してしまうのは、もちろん自分の気持ちの整理をしたかったのは多分にあるのでしょうが、本当のところは「葵ちゃんに探して見つけ出して欲しかった」のじゃないのか、とも考えてしまうから。 一年前にどれほど後悔したか分からない葵ちゃんとの待ち合わせ。 そして、入院先の彼女へかけてしまった言葉。 繋いでいて欲しかった自分との記憶。 葵ちゃんを見守ろうと決意をした木野瀬くんが、誰よりも一番、葵ちゃんに自分を探し出して欲しかった人なのだろうと思います。 その揺れ動く気持ちを見ることが出来たからこそ、EDへ向かう二人の姿に感動したのですが……。 でも、逃げることなくいつまでも葵ちゃんから目を背けず、手を離さず、木野瀬くんから自分の方へくいっと引き寄せるくらいの。 ほんの少し踏み込む力強さが欲しかったな、とは思いました。 そんなシナリオだったら、もっと素敵なキャラクターになっていたのに……、と少し残念に感じています。 それでも、彼が葵ちゃんを見守り続ける姿勢を貫き通したことを、部長が伝えてくれた言葉は大好きでした。 自分を責めながら、ずっと他人のフリをして私のそばにいたと。 何もかも忘れてしまった、私の今を支えるために、ずっと他人のフリをしてくれたと。 科学部での日常を私と共に過ごしていたのだと。 自分を忘れてしまった、自分が心から大切に想う相手のそばにいるということは、 一体どれだけの苦しみなのだろう。 この言葉が木野瀬くんの全てを伝えてくれるから、どんなに感動したことか(T-T)!! そして、ここまで部員をつぶさに見ることの出来る部長の素晴らしさにどれほど感じ入ったことか。 って、部長が随所で素敵すぎるので、どうしても部長コメント入れちゃいますね〜^^; 木野瀬くんが自分の中の迷いを振り切って、告白してくれるEDは大好きでしたよ(*^-^*)vv 「……大好きだ。今も昔も関係ない。あの夏からずっとずっと、お前のことが大好きだった。 心の底からずっと、大好きだったんだ!」 ようやく伝えてくれた!! 木野瀬くんが背中を向けてしまうから、葵ちゃんの気持ちはとっくに彼の元へ向かっていたのに届けられなかった想いが、ようやく伝わって手を取ってくれた(T-T)!! と感動したものです。 ルート中は「木野瀬くんが見ている "葵ちゃん" は、いつの葵ちゃんなの?」と不安に思った場面もあったのですが、彼の口から。 木野瀬くんが見つめていた葵ちゃんは、何時だってそのままの葵ちゃんだったんだ(T-T)vv ということが判って嬉しくなりましたから。 木野瀬くんルートは、葵ちゃんを見守り続けた、自分を押し殺した気持ちを汲み取りながら丁寧にシナリオを追うと、彼が弱くなってしまう気持ちも理解できるのかもしれない、と思いました。 多分、1周目よりも再度プレイしたときのほうが納得しやすいのかも知れません。 木野瀬くんの優しい視線は大好きですけれど、もう少し自分の魅力や、葵ちゃんへの気持ちに自信を持って欲しいキャラクターだったなぁ、というのが正直な感想でしょうか……。 ごめんね、木野瀬くん!!
元はオトメイトさんの携帯コンテンツだった当タイトルが、PS2用にリメイクされて発売される、その移植に伴って新規キャラとして登場したのが篠原くんなのですが……。 この「篠原くん」を創り出したスタッフの方々は素晴らしいとしか言いようがありません!! 篠原くんが素敵。 篠原くんシナリオが素敵(T-T) 篠原くんというキャラクターだったからこそ、彼のシナリオは秀でていましたし、そのシナリオの特異性と言ったら……。 あぁッッ。ネタバレせずには私の筆力では伝えきれない魅力で溢れているのです!! シナリオを通してから眺めるイベントCGは、どれもこれも幸せを感じられるものばかりで涙が滲みます(T-T)vv (背景に薔薇が飛んでいるあのCGも、ある意味、得がたいかと(笑)) 直接的な言葉を使わずに、どこまで私が感動したことをお伝えできるかチャレンジしてみますね。 もうダメだ〜!! となったら警告文を出します(笑) 共通パートの毒舌篠原くんを乗り越え、「わたし、篠原くんに嫌われてる?」と葵ちゃんがびくついてしまう程のクールな切り返しを通り過ぎると……。 専用パートで篠原くんの矛盾点が見え隠れしてきます。 プレイをした方なら、彼の言動に「あれ? どうして?」と必ず思ったはず。 それを顕著に感じるのが合宿を映像を一緒に眺める、あのCGイベントでした。 そこから篠原くんが読んでいる本の題名を知り。 一緒に浜辺へ行き。 図書館で彼の中学時代の「親友」に遭遇する。 あ……すみません。もう涙が潤んできました(T-T) この一通りの流れが終わった当たりで、篠原くんが落とした手帳を見てしまうか、やめるかの選択肢が出ますが、ここではまだ見てはいけません!! 見ちゃダメですよ〜〜!!!! (いや、もちろん、見ても差し障りはないんですけど。個人的に見ちゃダメです!! と言いたい) そして、篠原くんの友人から彼のいきさつを知ることとなります。 あ〜〜(T-T) この後の、葵ちゃんが考えた素敵な作戦。 【デート】でのパフェCGは大好きです!! たじたじの葵ちゃんが可愛いッッ。 何より、楽しんでいる篠原くんが可愛いッッ8(≧△≦)8)))) そのまま【一日ループ】を重ねて、篠原くんと葵ちゃんの距離はだんだん。 そして、どんどん近づいていきました。 あの海辺での告白シーンも実に素晴らしかったですね(T-T)!! 「迷惑なわけないですよ。好きな人のそばにいられるのは、幸せなことじゃないですか」 「え……」 「あ……あの……確認してしていいかな」 「あの……私の勘違いだったら、本当に申し訳ないんですけども」 「今のは……その……ひょっとして……一般に愛の告白と呼ばれるものでは?」 「……図らずとも、愛の告白と呼ばれるものだと思います。 ……口が滑りました」 よく見れば、篠原くんの耳は真っ赤になっていた。 「……あの……」 「OK……だったりしますか?」 その日、そのとき……。 私たちは、恋人同士になった。 う〜〜〜わ〜〜〜〜(T-T)vvvvv ここからは怒涛の展開でしたね!! この告白の行方としては、「やはりか」という結末が待っていて、篠原くんは葵ちゃんとの……。 あぁ、もうダメです。ごめんなさい!! ここから先は篠原くんシナリオネタバレ全開で行かせて下さい。 筆力が追いつきません〜(>_<)!!
幼少の頃より先天性の「記憶障害」を持っている篠原くん。 「今」が「過去」となった瞬間。 「思い出」となった瞬間から彼の脳内から、それは零れ落ちていくのです。 それは歳を重ねるごとに症状が重くなっていくものでした。 ですから、日々の行動をつぶさに書き留めた手帳は篠原くんにとってはなくてはならないもので、【一日ループ】という特殊な環境の中で、維持できるものは記憶だけという、あらゆる記録媒体が意味を成さない状況下では、篠原くんの行動はひどくあやふやなものとなっていたのです。 行動を書き留めた手帳を次のループに持ち越せないから、篠原くんは「忘れている」ということさえ認識できずに、自分の記憶障害はループによって緩和されているのだと錯覚させられていました。 ですから、二人が恋人となった大切なループの記憶もまた……。 彼の脳内で眠りについてしまったのです。 葵ちゃんの想いは日々募っていくのに、篠原くんの想いはどこまで抱き続けることが出来るのか……。 浅学なので解明できなかったのですが。 好きな人を想う気持ちは、その人を一日眺めるだけで高まっていくものだと思うのです。 それは些細な仕草だったり、ふとした笑顔だったり。 自分の胸に留まって、それが積み重なって大きく深くなっていくものだと。 でも、記憶が消去されてしまう場合はどうなのでしょうか? 「好きだ」と認識した瞬間が消え去っても、積み重ねられた、その人への想いだけは残るものなのでしょうか。 例えば、一緒にパフェを食べて先輩の笑顔が可愛い、と感じた記憶がなくなってしまっても、その時感じた胸の高揚は残るものなのでしょうか。 「感情」が「記憶」と一合わせになっているものならば、篠原くんが誰かを想い続けることは難しいでしょうし、記憶が脳の片隅で眠りについてしまっても、大切に感じた感情はくすぶり続けることは可能であるならば……差し障りはないと思いたいです。 あ……葵ちゃんの例が実証していましたね。 「記憶の消去 = 感情の喪失」 ……でした(T-T) でも、篠原くんと葵ちゃんの決定的な違いは、ゼロからのスタートではない、という点なのでやっぱり。 「今日」の篠原くんの恋情と、「昨日」の篠原くんの恋情は同じ濃度ではないのかもしれないけれど、それらは消え去るのではなく少しずつでもいいから積み重なっていって欲しい、と思います。 さて、篠原くんシナリオに戻りまして。 葵ちゃんが篠原くんの障害に打ちのめされている時に、救いの手を差し伸べてくれた木野瀬くんが大好きでした!! 自分という人物は覚えていてもらえても、あんなに幸せだった瞬間を忘れられてしまうことが悲しすぎた葵ちゃんと、その背中を、とん、と押してくれる木野瀬くん。 「忘れられてしまうことも悲しいけれど、忘れていく方もきっと辛いんだ」 このセリフは木野瀬くんにしか言えないと思いますし、木野瀬くんだからこそ、この言葉に気持ちを乗せて葵ちゃんに伝えることができたのではないでしょうか----。 木野瀬くんの言葉に開眼した葵ちゃんと、そのまま手渡された篠原くんの落とした手帳。 手帳の中に書かれていた篠原くんの最後の文字が……!! あぁッッ。篠原くんルートでもかなり衝撃を受けた内容でした。 「どうか、どうか、どうか、どうか神様、どうかお願いですから」 ここで途切れている篠原くんの言葉!! 涙が後から後から零れて止まりませんでした……。 ここまで深い言葉を……なかなか見つけられません。 本当に……胸が掻きむしられるような気持ちでいっぱいになりました(T-T) 葵ちゃんが自分で考えて、篠原くんだけのためでもなく、自分だけのためでもなく、二人のために自分にできること。を見つけた先のシーンからは……。 ただ画面にのめり込んでプレイをするばかりでした。 いつものように砂浜にいる彼を見つけた葵ちゃんと、慟哭する篠原くん。 「お願いですから……わかってくださいよ……!」 「好きな人を! 不幸になんてできるわけないじゃないですか!!」 「あなたのそばにいることで私が不幸になるかどうかを、勝手に決めないでよ」 「まだ来てもいない明日を怖がって、今、好きな人を見捨てることの方がよっぽど不幸で残酷だよ!」 「篠原くんが今日に留まるなら、そのたびに私が、明日に連れて行く。 ずっと一緒にいる。孤独になんてさせない」 篠原くんの切実な叫びと、葵ちゃんの一途に向かう気持ち (T-T) これで心を揺さぶられるな、ということの方が難しく……。 篠原くんがこの砂浜での記憶を決して忘れずにいてくれたことも深く頷ける、素敵なシナリオでした!! そして、ついに迎える【一日ループ】最後の日。 篠原くんと二人で砂浜に佇む葵ちゃんには、嬉しすぎる緩やかな前進が待っていました。 あんな風に少しずつ、絡める指先の温度と同じような速度でいいから、彼の記憶がほどけていくと良いな、と思います。 「クジラを見送った幼い頃と、今と、僕の周りにはとても大きな違いがあると思います」 「あなたが隣で、僕の手を握ってくれてる」 「今この瞬間、隣にいてくれて……ありがとう」 〜〜〜〜〜〜ッッ 8(T△T)8)))) なんてッッ。 なんて素敵な篠原くんEDなのでしょうか〜〜ッッ(T-T)vvvv この場面で号泣してしまって、しばらく動けませんでした私……。 篠原くんルートは 「昨日」を失くしてしまった葵ちゃんと、「今日」しか残らない篠原くんの演出が実に素晴らしかったです!! そして、二人の楔となったくれた木野瀬くんの立ち位置も、なんと考え抜かれたものなのか……(T-T) 篠原くんが葵ちゃんにいつか話した通り、二人の間には齟齬が生じることもあるのでしょう。 お互いを想う気持ちだけでは追いつけない「時間」の流れに、恋人を恋人と認識できないことも増えるのはないでしょうか。 それでも、それは未来の出来事で確定された事象ではないのですよね。 まだ希望のある今日を積み重ねて、少しでも明るい光が二人の明日に射し込んでくれることを願って止みません。 篠原くんが孤独に朽ちていくことがなくなったこと。 科学部に所属して葵ちゃんと知り合えたこと。 そして、葵ちゃんが彼を見つめてくれたこと。 それらが嬉しくて、幸せで堪らなかったシナリオでありました。 篠原くんも、篠原くんルートも大好きですよ〜〜〜〜(T-T)!!!!
さて、やって参りました。綿森くんレビューでございますが……、その前に警告文をば。 綿森くん自身は実に好みなキャラクターでありますし、彼自身のシナリオにもひどく感動しました。 が、同時に綿森くんが本作のキーパーソンでもあるため、ネタバレ部分を解明してくれるのも彼のシナリオだったのです。 キャラレビューは愛情を持って彼への萌え語りで楽しく締めたいと思いますので、先に私が当タイトルに感じたことを記載することに致します。
当タイトルは「7月29日」が永続的に、とも思えるほどループ現象が続く【一日ループ】の中で葵ちゃんが科学部メンバーの一員と距離を縮めていくシナリオで進んでいくのは周知の事実です。 プレイするに当たり、自分で好きなキャラクターに目星をつけて、各人のそれは素晴らしい恋愛シナリオに胸をときめかせながら楽しんでいました。 EDはどれも葵ちゃんと「彼」がループ現象を抜け出すところ。 白い閃光に包まれるシーンで終了します。 最初は「ループ現象からの解放」が主題となっているのだから、そこに至るまでの経過だけを演出している結果なのだろう、とだけ思っていました。 個人的にはやっぱり後日談も欲しいなぁ、とは感じていましたが。 でもですね、違うのですよ。 閃光で二人が包まれた瞬間にゲームが終了するのは……。 【一日ループ】を抜け出した途端、【一年ループ】へ巻き戻ってしまうからなんです!! どういうことかと言いますとーー。 葵ちゃんがツリーと共鳴して「今日」へ留まる現象を発動させてしまいましたが、そこから抜け出したいと思ったとき、その理由が「彼のため」というものではまだ薄弱なのだそうです。 葵ちゃん自身が誰のためでもなく自分のために明日を迎えたい、と思わなければ、本当のループ現象は止まらなく。 【一日ループ】を乗り越えても、葵ちゃんが記憶を失くしてしまう1年前の日付へスリップしてしまうだけなのだと。 そこでまた葵ちゃんは記憶を失くしてからの一年をやり直し、科学部へ無事入部できるのは全体のたった10分の1の確率だけ。 それも、今までに実はこのループを何千回となく繰り返していて、その度に葵ちゃんは「明日」を迎えようという気持ちを少しずつ確かなものにしていっていた、という設定でした。 いや。確かに綿森くんルートで葵ちゃんは 【一日ループ】を本当の最後とすることが出来ました。 でも、綿森くんルートに入る前の科学部一同と迎えた恋愛EDは、葵ちゃんのループ現象の中の一つにしか過ぎないということが判明したのです。 彼らと迎えた恋愛EDの先に、彼らと過ごす現実の未来があるのではなく----。 葵ちゃんの記憶にはもちろん(「一日ループ」から抜け出て、「一年ループ」へ巻き戻るとそれまでの記憶もリセットされてしまうシステムなのです)、彼らの記憶にも人生にも葵ちゃんと恋愛EDを迎えた軌跡は残らないのです!! そうッッ。 葵ちゃんが綿森くんシナリオを終えて、最後の【一日ループ】→【一年ループ】を終わらせない限り、 科学部で出逢う彼らとの恋愛EDは架空のものでしかないのですよ〜〜〜ッッ8(T△T)8)))) まさしく、タイトル通り。「夏空のモノローグ」な訳です。 私がプレイしてひどく感動してしまった彼らとのシナリオは、葵ちゃんのループ現象による「独白」。 二人で迎えた結末ではなく彼女の記憶の中だけにある「独り語り」の一結果なのであって、現実の彼らと本当の。 記憶にも彼らの人生にも上書きをされる恋愛が出来るのは、綿森くんED後。 つまりは、本作プレイ終了後となるんです!!!! 私がプレイをした『夏空のモノローグ』というタイトル自体が葵ちゃんが「明日」、7月30日を迎えるために前進する経緯の一端を記したものでしかなかったという訳です。 だって、攻略キャラクターと迎えた恋愛EDは一年ループに巻き戻ることでなかったことになってしまうのですから、結局プレイヤーの手元に残る現実のEDは綿森くんEDクリア後のものだけなんですよね。 しかもエピローグ後からが、葵ちゃんが現実世界を歩き始めた本当の7月30日ということになるのですから……。 そんなのって有りなんですか(T-T) 【一日ループ】という特殊空間の中だからこそ、生まれた絆だって芽生えた気持ちだってたくさんあるのに、それらは私に与えられた「本物」の恋愛シナリオではなくて……。 綿森くんED間際でカガハル君が、「何千回とループを繰り返してるんだったら、その中で一度くらいは先輩が俺と結ばれたことがあるんじゃないか!?」と騒いでいたのが、ただ物悲しく映りました。 「そっか。私が見た彼らのEDは、彼らの記憶にすら残っていないものだったんだ」と打ちのめされてしまったからです……。 あんなに素敵なシナリオの数々なのに、それらが実のないもので。 彼らと出逢えてたくさんのイベントを共に過ごせたはずの科学部が廃部となってしまった「今日」から彼らとの本当の恋愛シナリオを紡いでいかなければいけないという演出。 そこでゲームが終了してしまうやるせなさ(T-T) 「ループ現象の中の彼らとのEDは、このような形となることもあります。 ここから先の彼との本当の未来は、あなたの手で紡いでいってください」 と放り出された感じがして寂しかったんです。 これじゃあ、『アンジェリーク初代』の恋愛EDと変わらないじゃん!、と(笑) このゲームが大好きなのに。 虚構の恋愛シナリオを見せられているだけでは、ゲームをプレイする意味ってあるのかな? と、思ってしまったのですが……。 ここまで感じたのは私だけなのかもしれません。 他のレビュアーの方々による本作の評価は素晴らしく高いですから。 他の乙女タイトルのように多彩な攻略キャラクターがいて人数の分だけシナリオを楽しめるけれど、そのキャラクターでプレイした恋愛EDは、そのキャラクターとの上だけに培っていけるもの。 そのシナリオでの二人は、幸せに迎えた結末の先でずっと寄り添っている。 という普通の設定が良かったです……。 それだったら、文句なしで手放しで褒め称えたタイトルだったのに、あぁ〜〜(T-T)!! 以上が、本作に私が思っていることの文章となります。 すみません、未プレイの方には何が何やらですよね。って、もともとそこを想定しては書けない内容なので、プレイ済みの方に少しでも上手く伝わっていれば、と願うばかりです。 さて、ここから先は綿森くんルートを楽しくお伝えできれば、と思います^^ 綿森くんはまず外見からしてストライクゾーンだったり(笑)、ボイスなしテキスト【ツリーピース】で彼の歩んできた軌跡を見ることができるという前知識があったので、ルートOPENしてからのプレイが非常に楽しかったです(≧ω≦)vvvv 綿森くんが自分の茫漠とした時間軸に迷い込んできてしまった少女、葵ちゃんをどれだけ慈しんで眺めているのかが感じ取れるシナリオ運びがただ嬉しかったなぁ//// 彼と今までの記憶の道すじを辿るデートイベントもそうですし、彼のルートでようやく葵ちゃんの「お母さん」に焦点が当てられるのも素晴らしかったですね!! 最初は玉砕して部室に来てしまう葵ちゃんだけど、そこで「偶然だよ」とコーヒーを淹れてくれるシーンも大好き(*^-^*)vv でも、もっと大好きなのはお母さんとの距離がなくなる場面!! 私自身が母親という立場なのを差し引いても、あれは感動の嵐だったと思います。 もう泣いた泣いた(T-T)vv そして、あの場面の後、ようやく明日が来ないことの喪失感を感じるようになった葵ちゃん。 そこからシナリオは最後の【一年ループ】へと進んでいくのですが----。 自らを見守る役目としていても、綿森くんが傍観者から逸脱して科学部の名誉部員に招じられたことは嬉しかったですねぇ。 あそこの仲直り?する綿森くんと部長も大好き^^ 「しかし、いいのか。僕は君にとって……」 「あれはただの八つ当たりだ、ごめんなさい!!」 って、部長素敵すぎです(笑) 本当に潔いなぁ(*^-^*) 「一日ループ」にも「一年ループ」にも気づいていたのは部長だけだったし。 やっぱり、部長は凄い存在です!! そして、ようやく【一日ループ】から抜け出して最後の【一年ループ】へ向かうとき、葵ちゃんは衝撃の事実を知ることとなりました。 「一日ループ」が終わり「一年ループ」へ巻き戻る際、全ての記憶がリセットされること。 記憶喪失が原因で登校拒否の可能性が色濃い葵ちゃんが科学部に入部できるのは、10分の1の確率しかないこと。 同じように、「科学部」に科学部メンバー全員が揃うことも、全体の10分の1の確率しかないこと。 そんな……、と尻込みしてしまいそうな葵ちゃんと、私(笑)を引き上げてくれたのが、またも部長の高らかな宣言でしたね^^ 「統計学など、クソ喰らえだ!! これはお別れ会などではない!! 我々科学部の新しい門出を祝う祝賀会である!!」 「土岐島高校科学部はメンバー全員ひとり残らずまたここに集められるであろう!!」 もう、部長ったら格好良すぎですから〜〜〜〜ッッ8(≧△≦)8)))) うんうん、そうだよね。きっと皆にまた会えるんだ。と思った先に。 またしても、綿森くんの存在に関わる重要事項が発覚するのですがーー。 「僕ならまず、彼に会う」 という部長の凛としたセリフと、 「君が笑っていられる1日になるといい」 という綿森くんから紡がれた透明な言葉。 敢えて詳細は省きますが、実に素晴らしい綿森くんEDでした〜(T-T)!! 実際、あそこで終わりだと思ったんですよ、私。 でも、また邂逅することが出来た。 科学部メンバーとして一人も欠けることなく集まることが出来た。 それが本当に嬉しかったです(T-T)vvvv うん、まぁ。 あそこで、「出来れば綿森くんだけの恋愛ENDが欲しかった〜」と思ったことは内緒かな(笑) 綿森くんENDは最後の【ツリーピース】となって、プレイヤーの手元に還ってきました。 私がこのラストに感じたことは上出しましたが、それをそれとして眺めることが出来れば、希望に満ち溢れた終わり方だったと思います。 その後味に清涼感を感じたことも本当なので、やはり素晴らしいシナリオだったのでしょう。 綿森くんシナリオはグランドフィナーレに相応しい内容でしたね^^ 願わくば、綿森くんが葵ちゃんの傍らで静かに笑っていられる毎日を過ごせますように(*^-^*)!! 以上、偏りや主観が甚だしく混入してしまったキャラ語りでした。 「夏空」が大好きな分、いろいろ感じてしまったところもありますので、こういう見方もあるのかもね。くらいの軽い気持ちで眺めてくださると助かります。 最後に。 本作の演出として大好きだったのが、OP画面!! 最初は葵ちゃん一人が佇んでいるものなのですが、攻略キャラクターを一人クリアする毎に……。 (敢えて説明はカット!!) 最後には輪の中にいる葵ちゃんが幸せです。 葵ちゃんはこんなにもたくさんの人から愛情を注いでもらっていたんじゃないか、と感動できるから。 見ていると此方まで嬉しくなってしまう仕様でしたよ^^ そして、やっぱりと言いますか、さすがと言いますか。 OP曲もED曲も秀逸なんですよ〜(T-T)!! 各キャラクターのED後に聴くED曲と言ったら!! でも、個人的にはOP曲の方が好きだったかな^^ 夏の空の下を駆け抜けていくような疾走感が大好きでした。 本作はオトメイトさんの作品の中でも、傑作の部類に入ると思います。 私がもの寂しく感じてしまった部分は人によって感じる幅が違う箇所だと思いますので、明るいだけの恋愛じゃなくても大丈夫!! という方には、是非楽しんでいただきたいタイトルだな、と思います。 私も早くPSPで、もう一度じっくり堪能したいです〜〜(≧ω≦)vvvv |
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(2010.08.18 UP) |
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【PSP版プレイ感想】 本編そのものには追加修正が無かったとはいえ、[ LRC ]が増えていたのでそれはもう! 土岐島高校科学部メンバーの和気あいあい感を、とっぷり味わうことができました(*^-^*)vvvv 個人的に僥倖だ! と更に思ったのが、PSP版追加要素の【ツリーピースβ】。 これは綿森くん込みで、科学部全員のモノローグから成り立っているSSです。 それは葵ちゃんと出会う前の彼らが歩いてきた軌跡という内容が大半でしたが、それがまた(T-T)! 「あぁぁ、彼らと葵ちゃんが両想いになることが出来て本当に良かった! 彼らの心を温めてくれる存在に葵ちゃんがなってくれて良かったよ〜〜(⊃Д⊂)vvvv」 とむせび泣きたいような気持でいっぱいになる程の切なさとか、優しさが詰まっていてーー。 本作品スタッフの方々への感謝の念でいっぱいになりました!! 更には……全てのCG&カットを集めると表示されるご褒美CGの存在。 きっとこれはPS2版と同じなのですよね。 けれど、PS2版をプレイしている時には正直、素直に見れていなかったと思うんです。 それが私自身、本作品を再プレイするまでに時間を置いてからご褒美CGを眺めてみると……。 「確かに、ループの中の恋物語は「if」でしかなかったかもしれないけれど、ちゃんと7月30日からの時間の中で葵ちゃんと「彼」は幸せになっていたんだなぁ(T-T)vvvv」 と今更ながら気が付くことが出来ました。 個人的にあの一枚絵の彼らは5年後の姿だと良いなぁ、と思っています。 そうすれば、あの陽くんの隣りには葵ちゃんがいてくれますから(*^-^*) そして、篠原くんがしている行動の相手が葵ちゃんであることを信じて疑わなくて、そこで感極まってしまいました(T-T)! 【ツリーピースβ】を読んだ後だったので、尚更です(⊃Д⊂)vvvv すっごく、すっごく。 篠原くんには幸せになって欲しい! これから先の人生を一人ではない、という温かさの中で過ごして欲しいと願って止みません。 うん、これは綿森くんも含め、科学部メンバー全員に言えることですね(*^-^*) 本当にPSP版をプレイできて良かったです!! これまでずっと心残りだった部分が解消されて、昇華できて、もの凄く満たされましたから(*´Д`) PS2版の彼らよりももっともっと。 一輝くん。陽くん。宗介くん。涼太くん。皓先生。楓くん。 皆みんなが愛おしくなった、ひと夏の物語でございましたvvvv |
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(2013.03.23 追記) |
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