memories




辛口レビューになりますので、それでも宜しい方のみお読み下さい。





ファンタジーなシナリオよりも、現実世界に根ざしたシナリオが好きなため、イラストも綺麗ですし学園ものなのもあって、気になっていたタイトルだったんです。
ですが、注文時期が遅かったため、発売日には入手できずに一週間ほど待ちました。
が……。その一週間の間に注文先のamazonさんレビューに書かれる、

低評価の嵐!!

うひ〜。失敗した(>_<)??


とは正直思ったんですけれど、私自身が根っからの【乙女】好きなので、何かしら楽しいところを見つけてプレイできるんじゃないかな。とか、短時間でプレイできてしまう、というのも今の私には向いているかもしれない。と、そのまま楽しみにしていたんです。

まぁ……個人的な感想としては……。ネタバレなし感想の【紹介】と被ってしまいますが、


地の文章がひどい。

句読点が多すぎて頭が悪そうな印象を受けます。


シナリオ展開が急すぎる。

私自身がゲームキャラクターを設定されたコマンドとしてではなく、実在するかのような男性として見てしまうので、その彼らの性急すぎる言動、思考の揺れに驚愕しました…。
何時の間に、そんなに惚れていたの!? と ^^;


主人公の性格設定が「?」。

主人公が彼らに何故あそこまで愛され、求められるのか解りません(>_<)
「前向き」というよりは「空気を読めない」という感じですし、「気遣える女性」というよりは「大人ぶって背伸びをしている感が強くて、気に障る」。
つまりは、「生意気言ってるんじゃないぞ」 と感じました。


地の文章から成人イベントまでが短絡すぎる。

何なんでしょうね……。
ショコラティエさん自身は、このタイトルをこのまま世に送り出すことを何故 良しとしたのか解りません。
ちゃんと吟味したのかな? と疑問に思いました。
プレイヤーが楽しめる = 開発スタッフ様もプレイをしてみて楽しかったのかどうか。
女性スタッフの方々はあの内容で納得できたのか、と聞きたくなります。
攻略キャラクターたちが主人公を抱きたい、と思うまでに気持ちを成長させた説明が壊滅的に少ないため納得できない。
同様に、主人公がそこまで想われる「何か」をしていない。
ただ、普通に会話をしているだけ、にしか見えなかったのですが……。


ん〜〜〜(>_<)
いろいろ不満を言いましたが、END系統は嫌いじゃないです。むしろ好きです!!
個人的に【乙女】にBadENDは無くても全然構わないタイプなので、

当タイトルのHappyENDはもちろん、BadENDも主人公が想われている状態の内容。

という展開には満足しております。
EDを 2種類見るのも苦ではありませんでした^^
どんな内容であれ、「乙女」と銘打っているからには、やっぱり主人公が愛されているEDは嬉しいものですから(*^-^*)
タイトルを【memories】と冠するには軽い内容だとはやっぱり思いますけれど、彼らと恋愛をして成長した主人公のEDを見るのは楽しかったです^^

と 明るくなれた(笑)ところで、キャラクター語りにサクッと参りたいと思います。
今回はシナリオ自体が軽いので、なぞる程度になるかと……^^;
(「memories」のアイコンに使用されている画像の著作権は、ブランド・ショコラティエ様に帰属します。
また、cv.は敬称略で記載させていただいております)






上条 隼斗(cv.佐藤 タカオ) 聖クラウス学園2年生。

2番目に攻略した隼斗くん。
おかしい……。
唯一の同級生キャラなのに…。多分、一番のメインキャラなのに、何故 響いてこないのか!?
それは…隼斗くんのぶっきらぼうな性格が上手く表現されていないから(>_<)!!

自分は名前で呼んでいるのに、隼斗くんは苗字でしか呼んでくれないッッ。

と、廊下の真ん中で親友に泣き付くのはやめませんか、由美ちゃん^^;
しかも、それだけの内容にどんどん重い言葉を乗せないでください、道也先輩!!
Happyルートではこの、「名前で呼ぶ、呼ばない」という内容のためだけに随分と引っ張っていました…。

名前を呼んでくれるまで追いかけ続ける!!

と、文字通り隼斗くんを執拗に追い掛け回す由美ちゃんにはドン引きです(T-T)
そこで彼女の愛情深さを感じてしまう隼斗くんもなぁ…^^;
脱力しながらも、二人が幸せならそれでいいか、と眺めていましたが、

HappyエンドCGの隼斗くんの格好悪さに衝撃!!煤i@△@;

あれは……。
あれで、ときめける由美ちゃんに脱帽しました……。
一世代前のロッカーだよね、あれ……。
シナリオでも打ちのめされ、エンドCGでもダメ押しをされてしまった感のある隼斗くんでした(笑)





最勝寺 嘉隆(cv.神凪儚) 聖クラウス学園3年生。

真っ先に攻略させていただいた嘉隆先輩。
やっぱり真っ先にBadENDを見ましたので……。
” えっ? もう H しちゃうの!? えっ? もうエンディング(;゚д゚)!?” と驚愕しどうしでした(笑)
でも、Badルートでは関係を持つことに手馴れている先輩でしたが、Happyルートでは由美ちゃんの制服のボタンを手が震えてなかなか外せないところが可愛いなぁ(*^-^*) と感動。
それにしたって、学園内の植物園でコトに及ぶのはどうかと思いますが、それはもうどうしようもないのでスルーするしかないですね(笑)

Happyルートでは、由美ちゃんが先輩をずっと支えられ続けていける、という内容が嬉しかったです!!
御曹司だからって、自分から愛想を振りまかなくても = ナンパ師にならなくても、『金色のコルダ』の柚木先輩のように微笑だけ浮かべて流していればいいのに、と思いましたが、まぁ。心を開けずにずっと「本当の自分」を出せずに苦しんでいた先輩が、由美ちゃんに救われるのなら悪くないです^^
ED内容も、お互いの気持ちが確かなものになった二度目の行為イベントも、”よかったね〜^^ ” と見つめさせていただきました(*^-^*)

あ。でも、先輩。
カタカナ英語交じりの会話は……ちょっと……。いえ、かなり引きますよ(笑)





十津 道也(cv.先割れスプーン)聖クラウス学園3年生。

きました!!
先割れさんです!! 外見 『仁義なき乙女』(@美蕾)の朝生さんです!!
ちょっと楽しみにしてましたッッ8(≧△≦)8))))

まぁ。シナリオが浅いですので、可もなく不可もなく……。
「冷静沈着なキャラクター」というものを地で行って、王道化されたシナリオでしたね^^;

自分とは正反対の性格の(ドジッ子な)彼女に惹かれ、告白。
まだ返事も聞いていないのに、同級生との仲に嫉妬して
いきなりH 。
その上、
「俺の女」呼ばわり。

ん〜〜。まぁ、もういいです!!
声が先割れさんだからいいんです!!(笑)
先輩Bestルートは由香利ちゃんとの「三角関係」?が主軸となっているので(あ。そういえば、隼斗くんのBadENDは、ちょっと後味悪かったなぁ(>_<))、BestENDよりもGoodENDの方が好きでした(*^-^*)
あのEDは良かったですね〜^^
先輩の独占欲とか俺様っぷりとかが見ていて爽快でしたvv
先輩のシナリオにはそれなりに力を入れているのかな?
他のキャラクターよりは安定感のある仕上がりで、プレイしていて楽しいな、と不本意ながらも(笑)感じることができたと思います^^





浅葱 樹(cv.神奈紘飛) 聖クラウス学園1年生。

樹くん目当てで当タイトルを購入した私。
それはもう彼が出てきてくれるだけで嬉しくて、樹くんを攻略している際には、性急なシナリオだって、あっという間にやってくる行為イベントだって幸せで仕方ありませんでした!!
それなのにッッ。

それなのに、樹くんのあのEDはどうなんですか(>_<)!?

最初にBadENDを見たときに変だな、と思ったんです。
由美ちゃんの身体目当てという内容でもなく、冷たくされる内容でもなく、ただひたすら樹くんに優しく愛されていました。
だから、道也先輩と同じようにBad分岐なのではなくて、GoodEND分岐なのかな?とだけ。

そして、樹くん寄りの優しい選択肢ばかりを選んで到達したTrueENDは……!!


樹くんが不治の病にかかって死亡してしまう


という内容で愕然としましたよ(T-T)!!

それって有りなんですか!?
確かに由美ちゃんはその後の人生も樹くんを想い続けて、一つの形を成し遂げることができましたが、だからって解消されるものではないです(>_<)!!

ショコラティエさんは何を思ってこんな安直なシナリオを書いたのか疑問に思えて、憤りすら感じました。
確かに、樹くんは攻略キャラクターの中でもファンが少ない部類の造形だとは思います。
でも、どんなキャラクターも攻略キャラとして存在する以上、ファンは出来ると思いますし、現に私は樹くん目当てで当タイトルを購入しました。
そのファンの打ちのめされる気持ちを分かっているのでしょうか?

じゃあ、GoodENDを樹くんENDと考えれば…と割り切れるほど、TrueENDは甘い内容ではありませんでしたし、衝撃が大きすぎます。
推理小説だって「私」が犯人となるのは言わば禁じ手で。
それと同じくらい、恋愛ENDを求める【乙女】にとって「死に」ネタというのは鬼門だと思うんです。
しかも……BadじゃなくTrueにそれを持ってきますか(T-T)!!

樹くんが、

「今、ここで……由美さんを、抱きたいんです」
「由美さんを抱けるのは、きっと、これが最後だから……」
「自分の身体のことは、自分が良く分かります。だから……今、抱きたいんです」


と、最後の夜に由美ちゃんと抱き合った内容には泣けてきました(;;
酷い。ショコラティエさんは酷いです〜〜〜(T-T)!!
うぅぅ。樹くんを大好きでプレイを考えていらっしゃる方がいましたら、素早く回避なされることをお勧めしたいです。

EDに打ちのめされましたが……樹くんは当タイトルの大好きキャラとして変わりません(T-T)





小野瀬 敦司(cv.青島 刃) 聖クラウス学園学園長。

当初は一番最初に攻略するつもりだった学園長。
いや……だって……。外見が 『ツンデレ★S乙女』(@美蕾) の神父さまに似ていて、敬遠したかって言いますか……(T-T)
でも、実際にプレイしてみると、どこまでも優しい柔らかい物腰に惹かれて4番目に美味しくプレイさせていただきました(*^-^*)vv

うぅ。それにしても学園長ルートは誰か他の攻略キャラといい感じになった後でルートが開くので…それが後ろめたかったですね(T-T)
攻略キャラからの乗り換えシナリオではなく、最初から学園長だけを狙える内容にしてくれれば良かったのに、と思いました。

それでもっっ。
学園長は由美ちゃんが卒業するまで待って行為に及んでくれたのが好きです(*^-^*)!!
日々、由美ちゃんを見つめながら由美ちゃんを抱きしめたい衝動を律して、ただ優しく見守る。
うわ〜〜。学園長、素敵すぎ(T-T)!!
そんな卒業式を迎えた夜。

小野瀬先生の腕が、私の身体を勢いよくベッドに引き上げ仰向けに押し倒した。
自分の服を全て脱ぎ捨て……。
私を捕えるようにじっと見つめる。

普段、物静かな人が見せる激情って大好きなので、堪らなかった場面でした////

ED内容も、さすが「学園長」と言いますか、「大人の男性」と言いますか。
とにかく全キャラクターの中で一番綺麗にまとまっていました。
学園長なら由美ちゃんじゃなくても素敵な女性と巡り会えると思ってしまいますが、その学園長と幸せになれる由美ちゃんは幸せだな、と感じます。
ぜひぜひ、そのままず〜っと穏やかに暮らして欲しい二人の姿でした(*^-^*)





以上がキャラ語りになります。
タイトルの内容自体は褒められたものではないと思いますが、キャラクターを楽しくお伝えすることができていれば幸いです^^


辛辣になってしまいますが、

当タイトルはシナリオを望むべくもない内容だと思いますし、何より「成人タイトル」と銘打っているのに要となる行為自体も非常に稚拙で粗い作りになっています。

ですので、私のように
好きだと思えるキャラクターがいてプレイするか、はっきりと「声買い」目的で購入される

かが、ストレスにならなくて良いと思います。
しかも、ご自身の時間を自由に使える環境にありますなら、プレイ時間もあっという間に全員を越してしまえる短かさだと思いますので、もし「成人」シーンに興味があるのでしたら他のタイトルをお勧めしたいくらいです^^;

私は学園長の優しさにほっこり癒されて、樹くんの……人となりに触れられて……それだけで幸せでした(T-T)
でも、樹くんが切なすぎて、多分もう二度とプレイは出来ないような気がします……。
次回作はもっとシナリオに力を入れて、安易に「死に」ネタを使用されないことを切に希望します!!
樹くん……大好きだったのになぁ(T-T)

(2010.05.08 up)