水の旋律





実に面白い作品でした!!

実は管理人、この作品には全くと言っていいほど期待をしていなかったのです。
同時期にたくさんの乙女が発売されたので(『遙か3 十六夜記』『星の降る刻』『王宮夜想曲』)
発売当時は『星の降る刻』にめちゃくちゃ期待をかけていたんですよね。
ところが、実際に作品をプレイしてみるとあっという間に『旋律』ワールドに引きずり込まれました!!

まずはなんと言ってもシナリオがいいですよね。
八百比丘尼と彼女を軸にした一族たちの確執、憎悪、もつれた愛情…。
現実世界を舞台としているものの、まずあり得ない世界観でした。
それがプレイしていると実にしっくりくるんですよね。
(同じ現実世界を舞台としながらも、正直『怪盗アプリコット』は付いていけなかったので)
その説得力に驚きました。


そして、主人公に好感が持てる、というのも大きなポイントvv
乙女をプレイするときにプレイヤーの分身となってくれるのが主人公ですから、主人公視点って重要なんですよね。
白石陽菜ちゃんは後ろ向きでもなく、前向きすぎて突進することもなく、プレイしていてほのぼのできる可愛らしい女の子でした(*^-^*) (デッサンの顔自体も可愛い、というのもありますけどvv
だから、陽菜ちゃんと出会う男性キャラが陽菜ちゃんを好きになるのがとてもよく分かりました。
乙女をプレイしていて、”えぇ、なんで君たち、この娘に惚れるかなぁ??”と思う主人公もやっぱりいるので、今回は非常にくつろいでプレイさせていただきました^^

おぉ、「シナリオ」と言えば、「シナリオ達成率」があるのが燃える要素でしたね〜!!
管理人は時間の都合上シナリオ全100%はとても無理でしたが、それでも拾える限りがつがつプレイしておりました。
だって、楽しいんですもん!!
いいなぁ、全100%にした方の達成感が実に羨ましいです(≧△≦)

同様に、作品に使用されている音楽も素晴らしかったですね!!
OP曲はプレイする前に必ず聞いていました。
歌詞がまた独特なのですけれど、誰か一人のTrueエンドを迎えてから聞くと、より一層ジ〜ンとくるんですよね(T-T)
最近はOP曲が素晴らしい乙女が多いので、とても嬉しいですvv
(管理人は特に、『星の王女(無印)』『幕末恋華 新選組』『王宮夜想曲』が好きですね〜(
*^-^*))

OP曲以外にも好きだったのが、「水涯-すいがい-」です。
スタート画面、おまけ画面で流されているこの作品の代表的なBGMなんですが…良いんですよ!!
水の雫から始まるような旋律。最初はどこか悲観的なんですけど、ラスト付近の優しい?曲調がとても好きでした。
音楽もゲームを盛り上げる大切な役どころですからね。
『水の旋律』はどこまでも手を抜いていない作品なのだなぁ、と感心させていただきました。
(嘆息)


----と、作品のことについてだけではなく、そろそろ作品をより一層魅力的なものにしてくれている、キャラ語りに参りたいと思います^^
管理人の攻略順です)





新野 憲吾(cv.鈴村 健一)尚和高校1年生。

管理人が「明るい、主人公をずっと慕っている男の子」という設定が苦手なために真っ先に攻略したキャラでした。
なので最初はプレイしていても他のお目当てキャラが出てくると、”キャ〜vv”と激しく目移りしていたのですが…、5/2になりキャラルートへ入ると、もう!! 憲吾くんの魅力爆発でしたね8(≧△≦)8))))

今までずっと主人公だけを見つめて、追いかけてきた憲吾くんの記憶が一謡によって封印されてしまうのです。
他のことは覚えていますが、陽菜ちゃんのことだけ綺麗さっぱり忘却している憲吾くん。
それでも、自分の過去につながる手紙を見つけ、一人九艘の郷へ旅立つ陽菜ちゃんを追いかけてきます。
郷に着いてからの展開はGoodエンドとTrueエンドで、ほぼ一緒なのですが…大きく違うのが、Trueエンドでは憲吾くんの記憶が戻ることですね。

Goodエンドでは憲吾くんの記憶は戻らずに、人間×九艘としての恋愛エンドになります。
それが一転してTrueエンドでは…!!
くっはぁ、管理人、もの凄く憲吾くんのTrueエンドが好きなのです。
そして、【afterward】も憲吾くんのが一番好きです!!

Trueエンドでは水琴おばあちゃんの術が間に合い、記憶の封印が解かれます。
そして、心の奥底から陽菜ちゃんを好きなことを取り戻した憲吾くんは「割血の儀式」を行い、自分も陽菜ちゃんと同じ寿命を持つ九艘になるんですよ〜!!
管理人は憲吾くんの一途さに泣きそうでした(T-T) 
しかも、後日談では共通の親友である仁美ちゃんの結婚式へ出席するところなんです。

「仁美の結婚式を見たら、もう心残りはないな。 この街ともお別れだ」

というようなことを言ってくれるんですよね!!
陽菜ちゃんが九艘になってからも大切な友人である仁美ちゃんの結末を知れるのは憲吾くんのシナリオだけですし、なんと言っても憲吾くんの男気に管理人はメロメロになりましたよ〜(T-T)
気が長くなるような時間だけど、幸せに過ごしてね。陽菜ちゃん、憲吾くん!!





桐原 拓哉(cv.子安 武人)尚和高校2年生。【九艘】

何気なく2番手に攻略してしまった拓也先輩なのですが、後々後悔しました〜(T-T)
う〜ん、正直に言うとキャラ自体は2番目に攻略してもOKなキャラだと今でも思っているのですが、シナリオをたくさん把握していた方が、より一層拓也先輩への思い入れが違っていたのになぁ、と思いまして…。

拓也先輩シナリオで好きなのが、キーシナリオ「危険な賭け」です。
自分が何故このような境遇になったか解らずに、自ら求めて敵である片瀬と接触を図った陽菜ちゃん。
「危ないことをするな!!」と拓也先輩に一喝されて泣いてしまうのですが…。

「もう泣くな。…俺、慰めるのがヘタなんだよ」

と切なそうに言ってくれます!!
このときに表示されるイベントスチルも凄く好きでした〜vv
不器用な拓也先輩が格好よかったんですよぅ(*^-^*)

そして、キャラルートに入ってから、陽菜ちゃんに割血したのは自分だ、と告解するときのセリフです。

「お前に笑っていて欲しかった。お前が笑うのを側で見ていたかった」

これがまた切なくて(T-T)!!
幼い頃、唯一のともだちだった陽菜ちゃんと離れたくない一心でその重みもわからずに割血してしまったことを懺悔するのですが、自分の一生をかけても陽菜ちゃんを護り抜く意志が感じられて、じ〜ん、としました。

Trueエンドは正統派だなぁ…、という印象しか最初はなかったのですが、他のキャラを進めて行くうちに拓也先輩が一番幸せになれるエンドだと気が付いて、それからは感慨深く見るようになりました。
拓也先輩はキャラと言うよりも、シナリオが好きな御仁でした(*^-^*)

…そう言えば、九艘の郷が焼かれ、陽菜ちゃんまでもが危うく斬り捨てられそうなった後のセリフ。

「焦った〜!!」

の言い方が実にお上手でした、子安さん(笑)
緊迫が解けた後だっただけに、ゲラゲラ笑ってしまいましたよ〜^^





加々良 愁一(cv.森田成一)葉光学園2年生。【一謡】

愁一さんは攻略順を実に悩んだキャラでした。
同じ一謡でだったらモモは圭くんのほうが好みなのですが、シナリオで考えたら次期当主となる愁一さんのほうが深くて面白そうだなぁ…。と思いまして。
結局はキャラの好みに耐え切れず、愁一さんから先に攻略してしまいました^^;

愁一さんシナリオはやっぱり、その責任の重さを考えればしっくりくる作りなのでしょうが…
どうしてもキャラ萌えできず…(T-T) (ファンの方、ごめんなさい!!)
それでも、一謡キャラを攻略すると同じ寿命をまっとうできない陽菜ちゃんへの救済策として、

【一人でも生きていく】【その日が来たら一緒に死にたい】

という選択肢があったのは(重かったですが)、嬉しかったですね(*^-^*)
愁一さんのTrueエンドの「afterward」の、【一緒に〜】を選んだときの二人の会話がとても好きです。
やっぱり、あれが愁一さんの魅力なんだなぁ、と惚れ惚れした瞬間でした。
愁一さんをお好きな方には堪らないEDだったと思います^^





手塚 京輔(cv.谷山紀章)尚和町にある大学の大学生。

手塚さんは、ごくごく軽〜い気持ち(「ルート」が開いたから攻略してみようかな♪)で着手したのですが…。
素晴らしいシナリオでした!!
個人的には、「水の旋律」の真のシナリオだと思っています。
だって、京輔さんの隠された能力というものが

九艘と一謡を人間に戻すことができる

というものなのですから!!
陽菜ちゃんも自分の人生に戻れますし、他の皆だってそうですよね!!
そのことを想像するだけで、ごわ〜っと感動に包まれました(T-T)
ただ…貴人さんラブな管理人には非常に辛い結末が待っているのでしたけど…。

手塚さんシナリオで好きだったのが、風邪を引いた手塚さんを陽菜ちゃんがアパートまで送り届けたシーンです。

「…それにしても、こんなに気軽に男の家に上がるのはよくないな」
「僕以外のヤツの家にはいかないように。いい?」

って、言ってくれるんですよ!!
仄かに独占欲を示してくれる手塚さんに、キャ〜〜////、と悶えた管理人でした(笑)
(しかも、蓮くんボイスでこうもサラッと言われた日には、それだけで昇天しそうでしたよぅ(T-T))

そして、陽菜ちゃんが再度片瀬に襲われた後、恐怖から雨を降らせてしまうときの会話です。

「でも、雨が降ったら手塚さんまた風邪引いちゃう」
「看病してくれるんだろう?」
「…はい、します。せいいっぱい」
「君に風邪を移しちゃいそうだな」


うわ〜〜!! なんて優しいんだ〜〜〜(T-T)、と感動したシーンです!!
しかも、取りようにとってはアダルト発言だし…//// きゃあぁぁぁ8(≧△≦)8))))
でも、普段はのんびり構えているのに、要所要所で男らしくって、プレイすればする程、手塚さんの魅力にクラクラになっていきました(*^-^*)
非常に好きなキャラですvv





片瀬 哲生(cv.檜山修之)一謡のハンター。

片瀬さんのシナリオは個人的に大好きでした〜vvvv
陽菜ちゃんを執拗に付け狙う片瀬さんの真意
が解りますしね^^

それにしても…他のキャラのシナリオを進めていく上でずっと疑問だった、『九艘の郷 襲撃事件』があのような理由から生じていたものだったとは…。
切なかったです(T-T)
そして、片瀬さんのシナリオのみ同じ一謡ながら最後の選択肢が出てこないのですよね。
それが…管理人にはすごく重くて、余計に片瀬さんというキャラと陽菜ちゃんの恋愛を応援したくなりました。 やっぱり、限りがあるからこそ愛しさも増すと思うんですよね…。
片瀬さんのEDも素敵なものだと思いました(*^-^*)

片瀬さんのセリフで好きだったものは…陽菜ちゃんが、「拓也先輩に嫌われてるから」と言うときのものです。

「お前はもっと、男心ってもんを理解した方がいいな」

文字だけだと、さらりとした言葉でしかないんですけど、このセリフを檜山さんが実に静かにおっしゃるのですよ。 小さく笑いながらの言葉で、何だか胸がじわ〜、っときたセリフでした。





明月 圭(cv.遠近孝一)葉光学園2年生。【一謡】

圭くんは同じ一謡の中で愁一さんと攻略順を悩んだキャラです。
プレイしてみての感想は…。
「性格自体は圭くんが好きだけど、恋愛EDは愁一さんの方が好き」というものになりました。

圭くんのシナリオは『女性を守る』というイメージが強いので、それにときめかない方はするっと素通りしてしまうキャラだろうなぁ、と思ってます。

圭くんの恋愛EDが苦手だ、と感じた理由はですね…EDでの圭くんのセリフなんです。
EDそのものは、”あぁ、高校生^^”というものだったのですが…。
いくら九艘との平和協定が結ばれたとしても、

一謡の存在自体を【檻】と表現しちゃダメだよ!!

「檻に囚われていたようです」って…それじゃあ、今までも、これからも九艘との関係向上に一生を捧げる覚悟を決めている愁一さんの努力自体も打ち消しちゃうように思えて、管理人は切なくなったんです。

確かに圭くんは愁一さんの護衛を離れて、高校生活を楽しめるかもしれないけど、今まで貴方が支えてきた愁一さんはずっと重い責任を背負って生きていくんだよ!?
…と、思ってしまう辺り、管理人も歳なのでしょうね…。

ん〜、そこが引っかかってしまったので、恋愛EDは苦手ですが、そこのたどり着くまでの圭くんは実に好みでしたvv
誠実な青年って素敵です(*^-^*)





桐原 貴人(cv.井上 和彦)尚和高校の歴史教師。【九艘】

大好きですよ〜〜vv 貴人さんvvvv
のっけから好みなキャラ設定(主人公に何故か冷たい)で、それだけでメロメロでしたから(笑)
そして…個人的に…すみません!! 大好きな声優さまなので、声を聞くだけで…きゃあ////!!

でも、貴人さんのシナリオもとても切なくて好きでした。
あ、もちろん陽菜ちゃんとはハッピーエンドなので、そこも嬉しかったり(*^-^*)
己の血を分けた最愛の人が、自ら死を望む」…その過去を乗り越えられて本当に幸せでした〜(T-T)

手塚さんのシナリオで貴人さんの結末を迎えた後だったので、Trueエンドでなかなか姿を現さない貴人さんにハラハラしましたよぅ(>_<)
”あぁ、まさかとは思うけど…このまま陽菜ちゃんが貴人さんを泣きながら偲んで終わるEDだったらどうしよう!!”
と思っていたらば…ッッ。

「ひどい雨だな。少し泣きすぎじゃないのか」

のセリフで登場ですよ!!
管理人、『アラベスク』のミロノフ先生を思い出しましたよ!!(知ってる方はいないでしょうね^^;)
もう、泣きそうでした〜ッッ。
貴人さんが生きててよかったぁぁぁ(T-T)!!

貴人さんが陽菜ちゃんとの再会を果たした後のセリフです。

「本当の意味で君を護るのであれば、君と、それから私自身も無事でいなければならなかった」
「君だけを護ったのであれば、単なる自己満足だ。
結局君を泣かせてしまう」

うわ〜〜!! こういうセリフを言ってくれる人を待ってたんですよ〜〜(T-T)
そうなの。
ただ護るだけじゃなくて、一緒に生きて欲しいの!!
貴人さんたら、大人で大好きだ〜〜〜vvvv

そして、「afterward」にて。
陽菜ちゃんが短大を卒業する日です。

「……そろそろ、君のその『先生』も、やめてもいいと思うんだがな」

…やっぱりね!!
だって、陽菜ちゃん。ずっと「先生」って呼んだら貴人さんが可哀そうだよ(笑)
と、管理人がほのぼの笑っているときに、爆弾は投下されましたーー

「……愛しているよ。
あの日、君と再び会ったその日から、変わらずに今も」


ヒィィィィィ〜〜〜〜!!!!
貴人さんがそう言うと、本当にそう感じられて…陽菜ちゃん、どっぷりと愛されてるのね〜8(≧△≦)8))))
と狂喜乱舞vv
(だって、「老いらくの恋」って激しいって言いますもんね。笑って逃走ッ)
あぁぁぁ、本当にご馳走様でした。実に美味しいafterwardでございました(*^-^*)

最後に。
いくら最愛の女性を失くしたからって、【20年】も寝てない貴人さんが素敵ですvv(笑)




----以上、なんだか、愛情が偏っているキャラ語りでした^^;


この作品はやり込み要素もたくさんありますし、久しぶりにビッグタイトルではなく、しかも18禁でもない、
一般作の乙女で、購入してよかったと心から思えたゲームです。

シナリオ、キャラ設定ともに、実によく考えられていましてのめり込んでプレイすることができました。
このように。
やっつけ仕事ではない、手を抜かない作りの乙女がたくさん世に出てくれるといいですね(*^-^*)
KIDさん、素敵なゲームをどうもありがとうございました〜!!

(2005.12.03 UP)