ひとふた奇譚





メーカー

Profitrolle(2012年03月30日発売【Win】)

「ひとふた奇譚」のバナーに使用されている画像の著作権は、Profitrolle様に帰属します。



ストーリー

両親の仕事の都合で全寮制である九十九杜学園へ転校することになった主人公・日野守千枝(高校2年生)は、荷解きを終えた後の散策で人気のない旧校舎まで辿り着いてしまいました。
頭の中に響いてくる鈴の音と黒い猫に誘われるように校舎内に入り、一幅の掛け軸を見つけた千枝がそっと触れた瞬間。
ザァァッと吹き抜ける一陣の風。
仄かに光ったかのように見えた掛け軸。
再び静寂に包まれた空き教室内を見回してみても、何も描かれていない掛け軸が残されているだけーー。
ここまで導くかのように歩いてきた黒猫の姿も見当たりませんでした。

掛け軸を手にしてからというもの、千枝の周りで起こる不可思議な出来事とたくさんの出逢い。

和やかな学園生活を過ごしながらも、時には監視されるように。
その力量や資質を試されているかのように。
でも、最後には温かくーー。
ずっと見守り、傍にいてくれた「彼」と共に日々を過ごすうち、千枝の胸にはひっそりと。でも、確かな根を下ろすように「彼」への想いが生まれて溢れていくのでした。

【ひとふた奇譚】。
一連の騒動が集束する時には、千枝と「彼」は共に在り、ぬくもりを感じる日々を手に入れることが出来るのでしょうか?



ゲームの流れ

選択肢選択により好感度を上げながら、共通パートから個別パートに入り恋愛ENDを目指します。



システム

主人公の名前変更可能。
但し、デフォルト名でも無音。「君」「お前」などに置き換えられます。
主人公ボイスはありません。
CGスチル鑑賞のみ有り。シーン鑑賞は有りません。
バックログからその場面へとジャンプできますので、Q.SAVEを忘れたとしても大丈夫。非常に便利!
好感度UPが一目でわかる仕様有り。

選択肢選択による好感度UPで恋愛ENDを目指すADV形式シナリオ。
股掛けENDは存在しないので一途プレイで進めます。
全8章で、5章までが共通パート。それ以降が個別パートとなります。

各キャラ恋愛ENDは1種類。
    BadENDもありますが、CG&シーン登録なし。
EDをクリアすると【おまけ】がOPEN。キャラクターとの後日談を見ることが出来ます。

公式HPから演出強化&エラー修正パッチファイルをダウンロードする必要があります。



総評 ★★★☆☆

本タイトルの★評価ですが……。
個人的には★4個でも全然OKなくらいプレイが楽しかった作品です(≧ω≦)!
が、ですね。作り込みの甘さという大きな減点対象がありますので、敢えて辛口評価で抑えさせていただきました。
以下、箇条書きにてマイナス点を列挙。

*個別パートに入ってからのシナリオが駆け足。
 恋愛描写をもっと丁寧に描き込んでくれたのなら、更に素晴らしい作品になっていたと思います。
*修正パッチファイルが今現在ver.03まで出ておりますが、他キャラクターのまだ見ていないイベントCGも「おまけ」に収蔵されてしまう。
 (各キャラ一枚ずつくらい出現しています)
*そもそも、イベントCGがめちゃくちゃ少ない!
 恋愛イベントに入ったとしてもCGがないものだと割り切ってプレイした方が良いです。
*EDクリア後、「おまけ」に【後日談】が出現しますが糖度を求めてはいけません(笑)
 でも、ほのぼのはしてます(≧△≦)b

といったところでしょうか。
さらに以下、今度はプラス点を挙げます。

*起動してすぐのOP曲。さらにはED曲が素晴らしいvv
*共通パートの学園行事など、キャラクター同士の掛け合いが見ていて非常に楽しい&和みます^^
*メインキャラもサブキャラも皆優しい人たちばかり(*^-^*
*確かに主人公を気に懸けるようになっていく徐々の描写は稀少かと思いますが、個人的に。
 選択肢で好感度が上がっている様子が一目で分かるので、攻略キャラクターが主人公に気持ちを傾けていっている段階を脳内補完できます。なので、それほど気になりませんでした。
 (って、これプラス点?(笑))
*「微糖」とか言われていますが…きちんと好意を口に出して伝えてくれるキャラクターばかりなので、
 私は輾転反側して悶えてしまいました////
*和風伝奇ロマン風味は素晴らしく出ていると思います! (だからこそ勿体ない…(;´Д`))

以上。
他にもシステム周りもですね、本当に快適なんですよ〜(*^-^*
そこからも、「もっと丁寧に制作陣は作り込みをする予定だったんだろうな……」と窺えてしまうのが、余計に惜しく思えてしまって。
当初、発売予定を発表してから約一年後くらいの発売となったのにも関わらず。という本タイトルファンとしても擁護しきれない事実があったり、デバッグするほどの余裕もなかったのかな?と思える演出バグが発売後でありながらも続いたため、最終的には★3個の評価で落ち着かせいただきました。

定価での購入を考えますと、恐ろしく……安い買い物ではありませんので、各販売ショップでの価格を見極めながら。
私のように和風伝奇に惹かれておいでの方がいらっしゃいましたら、手が触れただけでポッと頬を染めてしまうような純愛シナリオにほっこりしつつ。
水先案内人の黒猫・二つ尾を共に愛でましょう!!(笑)
餌付けしたくて堪らなくなる素敵な出逢いがありますよ〜(≧ω≦)vv
(って、勿論! 猫様も素敵ですが多彩な攻略キャラクターの煌めきがあってこそですvvvv



登場キャラ(cv)

乾 和貴 (cv.日野 聡)九十九杜学園2年。3人目の転入生。
   人当たりが良い笑顔と柔らかな物腰でクラスの人気者となる。主人公への態度は少し違うみたい…?

左坤 由久 (cv.立花 慎之介)九十九杜学園2年。1人目の転入生。
   明るい笑顔で誰とでも打ち解けられる爛漫な少年。主人公を「大好き」と公言して憚らない。

巽 正臣 (cv.宮内 敦士)九十九杜学園日本史教師。主人公のクラス担任。
   面倒見が良くて気さくな態度で接してくれる先生。年の割に老けて見えるのが目下の悩み?(笑)

艮藤 晶 (cv.岡本 信彦)九十九杜学園1年。図書委員。
   茫洋とした独特の世界観を醸し出している後輩。一人で行動していることが多い。

芥離 七央 (cv.細谷 佳正)九十九杜学園数学教師。寮監。
   端麗な容姿で女生徒からの人気が高い。合理的なもの言いをするけれど根本は優しい人。

坎宮 トア (cv.小野 友樹)九十九杜学園3年。4人目の転入生。
   イギリスからの転入生で俺様な先輩ーー かと思いきや機微に聡く、スマートな考え方をする青年。

(2012.04.10 UP)