華ヤカ哉、我ガ一族

キネマモザイク



メーカー
オトメイト (2011年12月08日発売【PSP】)
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ストーリー
時は大正。
一代で財を成した宮ノ杜家の使用人になってから一年が過ぎた浅木はる(19歳)も少しは成長し、仕える者としての自覚を持つようになってきました。

そして、二年目の春---- 次期当主選びに火花を散らした昨年の騒動のさ中、逆に親睦を深めるようになった六兄弟には寝耳に水な出来事が。
何と、宮ノ杜家を陥れようと暗躍し、当主の庶子であった守が家族の一員として認められ、共に生活をするようになるというのです。
その状況下の中で改めて次期当主を選ぶこととする、と宣告した現当主・玄一郎の言葉にそれぞれの思惑を抱えながらも、この春より自分の専属使用人となった はるとの交流に心ならずも、もしくは一層の思慕を募らせていく兄弟達。

仕える者と使う者。

本来ならば許されることのない、二人の恋の行く末はどのようなモザイクを彩っていくのでしょうか?



ゲームの流れ
ゲーム期間は、四月〜拾月までとなります。
(但し、拾月はシナリオを読み進めていくだけとなりますので、実際のコマンド入力期間は9月まで)
一週間の使用人コマンドを選択し、時折挟まれる会話シナリオによる攻略キャラクターの好感度UPで
該当キャラクターとの恋愛エンドを目指します。



システム
主人公の名前変換可能。
但し、デフォルト名だと音声付きで名前を呼ばれます^^
イベントCGを一覧できるアルバム機能。シーン回想(回顧録)機能有り。

好感度は会話選択肢で上昇させて恋愛EDを目指します。
一週間分の使用人コマンドを入力して、各能力値を上げていきます。
奇数月の最終日には【使用人審査】があり、規定値に満たないとGAME OVER。
毎週土曜日や、休暇コマンドを選択した日にはMAP探索が可能。
MAP探索で数々の【依頼】をこなし、アイテム収集を行います。
攻略キャラクターの好感度は会話選択肢でのみUPしますので、EDには影響しません。
1周目で収集したアイテム、解決した依頼は2周目に持ち越し可能。
上記と同等のことが2周目よりOPENする【情報屋もーど】にも適用。
但し、有田喜助を主人公としてシナリオ展開されていきます。(はるとの恋愛END有り)
本編で各キャラクターと恋愛ENDを迎えたその後。【後日談もーど】も有り。
(選択肢なしのノベル形式)

股掛けEDは存在しないので一途プレイが基本。
各キャラクターにEDはHappyエンド、Badエンドの2種類有り。好感度の累計値で分岐します。
Happyエンドクリア後、アルバム機能内に「後日談」が発生。



総評 ★★★★
凄いですね!! 文字通り【骨太】な作品だったと思います。
ファンディスクって、こんなに厚みのあるものも存在するんだ……、と感嘆させていただきましたもの(*´Д`)vv

それでも、本編 『華ヤカ哉、我一族』 の本格的な続編という訳ではありませんので、恋愛描写は甘いと感じられるものの、キャラクターによっては恋愛感情をはるに持つに至るまでの経過が判然としないシナリオもあったように感じております。
しかし、二人を取り巻く背景は本当に繊細で緻密!
まさに大正浪漫を感じながらの、はらはらと息を呑む展開に……。
はぁぁぁぁ(*´Д`) 素晴らしいです!
【宮ノ杜】という一 一族から目が離せなくなってしまい、彼らを取り巻く。
時には暗澹とした。時には少しの幸せを。
そして、「本物の愛情に出会ったことがない」という環境に胸を締め付けられ、もっとお傍に仕えさせてください!
と志願するまでの心持ちとなってしまうのですから、シナリオの妙なのでしょうね(*´-`*)

FDではありながら、本編と同等に主人公・はるの使用人能力上げ。
「依頼」解決によるアイテム収集等、恋愛シナリオを堪能する以外にも やり込み要素は目白押しです。
【弐年目もーど】をクリアすると二周目からOPENする【情報屋もーど】も、あれだけ本編で「攻略したい(≧ω≦)!」とぷるぷる震えていた素敵な殿方目線で進行するイベントが実に楽しかったですよ〜vvvv

本作品をプレイして、「本編の後日談をお目当てにするだけではなく、新機軸でスタートする二人の関係を楽しむことって、こんなに胸を打たれるものなのね!」と。
これまで私がFDに持っていました固定観念を良い方向に変えることが出来ましたことにも、深く感謝しているところでございます(´人`)

確かに本編から引き続いてプレイするのが順当だとは思いますが、一作目よりも成長した主人公。
そして、最初からある程度物腰の柔らかい七兄弟を堪能したいのでしたら、主人公に風当たりの強い一作目を置いておいて、本FDからプレイしてもシナリオに矛盾はないと思っております。
要は本作からプレイしても本編への心積もりになりますので、本編よりは手軽に楽しめる作品としてお試し気分で臨んでみても良いのではないでしょうか(*^-^*)
「ファンディスク」という名だけで楽しむには勿体ない、実に充実した内容の作品でございますから!

最後に。
コマンド入力タイプのゲームですので、プレイ時間もそれなりに掛かります。
初周で7〜8時間ほど必要になるのではないでしょうか。2周目からは3〜4時間程度でクリアできるかと。
システム周りも快適で、固定シナリオを一気に飛ばせる機能には大助かりしました(*^-^*)
という。
甘いだけではなく、耐え忍ぶことも必要な。身分格差だからこその恋愛譚を楽しんでみたい方には、まさにうってつけの素晴らしいタイトルだとお勧めしたいです(≧ω≦)!!



登場キャラ(cv)
宮ノ杜 正 (cv.宮内敦士)長兄。宮ノ杜銀行頭取。(参拾伍歳)
誰よりも当主の座に固執しており、何より合理性を重んじる人物。母親は澄田サナ江。
宮ノ杜 勇 (cv.田坂秀樹)弐男。帝國陸軍大佐。(参拾弐歳)
気に入らぬものはすぐに斬って捨てようとする直情的な性格の持ち主。母親は本条院トキ。
宮ノ杜 茂 (cv.前田 剛)参男。芸者。(弐拾七歳)
マイペースで何事ものらりくらりとやり過ごす要領の良い男性。母親は家寿田静子。
宮ノ杜 進 (cv.梯 篤司)伍男。市警察署警安部交通課巡査。(弐拾参歳)
誰にでも優しく接してくれるが、その実誰にも執着していない静かな人。母親は有吉文子。
宮ノ杜 博 (cv.岸尾だいすけ)六男。尋常高等学校七年生。(拾九歳)
発明好きで明るい青年。主人公の良き後ろ盾となってくれる。母親は佐伯ヨシ。
宮ノ杜 雅 (cv.岡本信彦)七男。尋常高等学校伍年生。(拾七歳)
選民思想で排他主義な少年だが知略に長けている。母親は伊村千代子。
宮ノ杜 守 (cv.秦 勇気)四男。作家。(弐拾六歳)
無為に母親を死なせた恨みとして長年宮ノ杜を恨んできた男性。
怜悧ではあるが反面、懐へ入った者への情は篤い。母親は古芝カズ江。
有田 喜助 (cv.片桐 勇介)玄一郎お抱えの情報屋。(弐拾八歳)
記事になる前の新鮮な情報を有効活用させるために玄一郎付きの情報屋となることを決めた青年。
こと自身の恋愛に関してはからっきしだが、世俗の常識人して兄弟の良きアドバイザーも務める。

(2012.11.22 up)