クリムゾン・エンパイア




メーカー

(2015年04月23日発売【Vita】)


「新装版クリムゾン・エンパイア」のバナーに使用されている画像の著作権は、株式会社アートムーヴ様に帰属します。



ストーリー

大陸を統べる完全無欠の女神・ベルナンディー。
完璧であるが故に、孤独に苛まれた女神はある日自らの命を絶ってしまいます。
そのときにこぼれた血が大陸に降り注ぎ、中でも大きな25粒の血は新たな女神となったのでしたーー。

創世の女神の血より生まれ出でた新たな国・貴族の国 ルクソーヌの属国に住まうシエラ
(18〜21歳前後)は、元・暗殺者ギルドで戦闘力を叩き込まれた、第二王子付きのメイド長。
幼い頃、貧困に喘いでいた母親に売り飛ばされてからの転身でした。
しかし、シエラには深い忠誠を誓う第二王子・エドワルドにも伝えられない秘密があったのです。
それはーー。

「君は大成するよ」と、まだ幼かったシエラと【約束】を交わした悪魔がいること。

その悪魔に死後の魂を全て捧げるという約束の下、シエラは大成する道を歩むことが許されているのでした。
大成する、とは言っても、それは努力や代償無しに進める道ではありません。
幼い頃の辛酸を経て、シエラはメイド長という華やかな地位を得たのです。

そして、まだまだ上り詰める最中のシエラが出会った「彼」。
「彼」との交流が淡々と過ごすばかりだったシエラの日々に彩りを与えます。

第一王子と第二王子との王位継承に揺れる国政。
「第二王子付きのメイド長」という立場が響いてくる「彼」との仲。

悪魔に命運を握られたシエラの今生の行く末は、どのようなものになるのでしょうか?



ゲームの流れ

【Opening】【1章】〜【14章】【Finale】の章仕立てで進行。
各章の選択肢により好感度を上昇させ、その累積値によって各種恋愛エンディングを目指します。



システム

主人公の名前変更可能。
(ボイス呼びなし。公式名でも無音か「君」「お前」等に置き換えられます)
主人公ボイスなし。
CG鑑賞&シーン回想機能あり。(シーン回想は充実しています!)
好感度上昇確認システム(いわゆる"愛キャッチ")& 好感度累計値(ステータス画面)あり♪

Openingの最後でキャラクターを選択することになり、「1章」からは個別シナリオ展開となります。
これまでのターン制(MAP訪問形式)から、会話、行動などを選択肢から選び取っていくテキストタイプの乙女になりました!
厄介なのが、いわゆる【シナリオ既読率】
これをMAXにするためには、シーン回想にタイトル表示されないサブイベントも全て見る必要があります。
その時の攻略キャラクターではないサブキャラクターへのMAP訪問も重要になってきますので、そこが少し面倒かな、と^^;

各キャラクターの恋愛エンディングは2種類。
*
好感度の累積値によって [ BEST END ] と、いわゆる [ GOOD END ] に分岐。
*
他にも様々なストーリーENDが用意されています。
(全てのエンディングにCG&シーン登録あり)
フルコンした後の "おまけ" 要素は特になし。



総評 ★★★★

PC版『クリムゾン』が大好きでしたので、新装版製作決定の際は大喜びをし、商品が手元に届いた時には狂喜乱舞でございいました。
その上で、実際のプレイをした感想はと言いますと……。

普通の恋愛ゲームになってしまったなぁ^^;

というものです。
PC版ではターン制の作品でしたので、貴族や教会に賄賂をすることでもターンが経過し、合い間にクエストをこなすためのモンスター退治をし。
そのモンスターも無限増殖のように増殖を繰り返すものがいたりしたので、一度戦闘になるとなかなか抜けられなくなってしまったり……。
ひとつひとつに手間が掛かって、でも、その分。
"嗚呼!ようやく「彼」との仲がここまで来た。こんなに仲良くなれたんだな〜(T-T) " という感慨に繋がっていた、と個人的には感じておりました。

その部分。つまり「手間」の部分がサクッと無くなってしまい、シエラちゃんや攻略キャラクターがどんなに苦悩していたところで、あっさりと次のシーンへすぐに行ってしまいますから、確かに他社作品とは一線を画した [ Rose様カラー ] の恋愛シナリオではあっても……。
読み手側も、さらりと流せてしまう恋愛ゲームになってしまったな、と^^;

けれど!
実は、そのPC版手間のため、フルコン出来ないでいた心残りの作品を、サクサク楽しめる新装版として製作し直してくださったRose様には大感謝でございます(
*´Ω`*)vvvv
攻略キャラクターを「王位継承」という泥沼の中でも、幸せにしてあげられ【易くなった】ということは、やっぱり幸せなことですもんね^^!

ゲーム性に関していえば、本作では章内で発生するサブイベントまで細かく入手しないとフルコン出来ない仕様になっておりますから、あちこちMAPを徘徊してサブイベントを発生させるために手順を踏まなければいけない、ということも難易度が高いように感じております。

そして、Vita版で新規追加された分のGOOD ENDに関しましては……。
う〜ん、ごめんなさい! 大よそは "普通かな" という印象です。
同じ「新装版」でも『魔法使いとご主人様』の新規追加ENDには感動してばかりだったのですけれど、不甲斐ないプレイヤーで申し訳ないです(;´Д`)
あ。でも、そのキャラクターの特徴を上手く生かした内容になっていることには感動しておりました!


システム周りに関しましては、[ 選択肢ジャンプ ] 機能も有る。好感度アップも分かるようになっている、というRose様の安心クォリティ。
プレイ時間は初周で、8〜10時間は掛かるのではないでしょうか。
2周目以降のキャラクターからはメイド関連のイベントを読み飛ばせるようになっていますけれど、全てが個別パートでございますから、やはり7時間程度はかかるかと。

【大陸シリーズ】ファンには堪らない「新装版」の有難さ(≧ω≦)
vv
PSP版でも本編の移植止まりでしたのに、Vita版ではFD的続編の『ロワイヤル』まで移植が決定致しましたし、「その後」も楽しめる本編として、楽しいだけはなく。
苦悩しながらも、相手との関係を断ち切ることが出来ない深さまで来てしまった、という「闘うメイド長」が気になりましたら(笑)、是非ぜひお手に取っていただけたらな、と願ってしまうQuinRose様の素敵作品でございます〜〜(*^-^*)
vv



登場キャラ(cv.)

エドワード=ウィンフリー(cv.鈴村 健一)王位継承権一位の王子。ジャスティンの弟。
   シエラの主。気品に満ちた立ち居振舞い等、全てが完璧なそつのない王子。


ジャスティン=ロベラッティ(cv.平川 大輔)王位継承権二位の王子。エドワルドの兄。
   マーシャルの主。強面のため貴族&国民からも近寄りがたく思われているが、その実は篤実な男性。


マーシャル=エイド(cv.成田 剣)ジャスティンの従事長。
   シエラとは敵対する立場だが、見習いの頃からのライバルなので気心が知れている。


ブライアン=カペラ(cv.鈴木 達央)次期侯爵。
   シエラの部下・リリーの兄。妹を溺愛しており、身分に関係なくメイド部屋にも出入りしてしまう鷹揚な人。

ランビュール=ダヌンツィオ(cv.谷山 紀章)子爵。
   国王を救った英雄として子爵を賜った青年。薬学に秀でており、研究に没頭すると周囲が見えなくなる。


ミハエル=ファウスト(cv.緑川 光)シエラと約束を交わした悪魔。
   シエラに道すじを与えた悪魔だが、普段は契約主・マイセンと行動を共にしている。
   マイセンには陶酔し、シエラのことは「嫌い」と公言して憚らない。

(2015.07.16 UP)