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Quin Rose(2012年12月20日発売【PSP】) |
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※「ダイヤの国のアリス」のバナーに使用されている画像の著作権は、アートムーヴ様に帰属します。 |
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これはーー。
裕福な家庭の子女だったアリス=リデルが、前触れもなくワンダーワールドに連れ去られてしまった後のお話。
強引な白ウサギに連れて来られた【ハートの国】。
[ 引越し ] による別れを経験した【クローバーの国】。
[ 四季 ] が到来し、ジョーカーの支配が及ぶ【エイプリル・シーズン】。
これらの国に滞在する選択をしてきたアリスは、今度は自身が皆の住む世界から弾かれてしまいます。
今回、訪れた(= 弾かれた)国は【ダイヤの国】。
そこは、「ハートの国」もしくは「クローバーの国」の国で出会った彼らの【過去】で彩られた世界でした。
ですが、ひと口に「過去」と言っても ダイヤの国は、
ーーアリスと繋がらなかった場合の住人が暮らす国。
単純に、昔の「彼ら」という訳ではなく、アリスが知る彼らとは、違った組合せで回ってきた時間。
という、完全には重ならない世界。
そう。
ダイヤの国でアリスが出会う「彼」は、元の国の「彼」と重なる部分もあるけれど、これまでの国と繋がりそうで繋がらない、異なる軸の「彼」だったのです。
更に、様々な国を経てきたことで【余所者】である恩恵を受けにくくなっているアリスは、なかなかに「彼」の信頼を得ることが出来なくなっていました。
ダイヤの国でアリスが初めて感じる孤独感。
【私は「彼」を知っているのに、「彼」は私を知らない】ということが、これ程までに重くのしかかるとは……。
ですが、アリスは歩みを止めません。
ダイヤの国。
いいえ、【不思議の国】に残るだけの確固とした理由を見つけ出すために、アリスは「彼」との絆を信じ続けるのです。
ダイヤの国での催し物【測量会】が終わる頃、アリスは「彼」との絆を深めることが出来ているのでしょうか。 |
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◆【opening】+ 【1st ticket】〜【17th ticket】の章仕立てで進行。 |
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◆ 選択肢選択により好感度や責任感を上昇させ、その累積値によって各種恋愛ENDを目指します。 |
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◆【opening1 1】〜【opening 3】:共通パート。
*【1st ticket】〜【17th ticket】:個別パート。 |
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◆ オープニングで【アリスの滞在先】を選択することになり、「1st」からは個別シナリオ展開となります。 |
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◆【留意点】!
アリスには [ クローバーの国 ] までの記憶しかなく、エイプリル・シーズンは覚えていません。
よって、ジョーカーとの面識はなく、ユリウスとも離れたままである、という認識でアリスは行動します。 |
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◆ 主人公の名前変更可能。苗字は固定。
(ボイス呼びなし。公式名でも無音か「君」「お前」等に置き換えられます) |
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◆ 主人公ボイスなし。 |
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◆ CG鑑賞&シーン回想機能あり。(シーン回想は充実しています!) |
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◆ 好感度上昇確認システム(いわゆる"愛キャッチ")あり & 好感度累計値(ステータス画面)あり。 |
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◆【責任感】→ 好感度を上げる選択肢の他に、アリス自身の [ 責任感 ] を示す選択肢も有り。
* [ 好感度 ] の累積値と [ 責任感 ] の累積値によって、各種恋愛ENDに分岐します。 |
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◆ 各キャラクターの 恋愛エンディングは 6〜7種類。
*【BEST END】1種は固定。
* その他のENDは、GOOD END や BAD END 相当となります。
(全てのエンディングにCG&シーン登録あり) |
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◆【サブキャラクターEND】→ メインキャラ1人に対し、必ず恋愛ENDを迎えられるサブキャラが存在。
* 今作のサブキャラは、【ボリス / エース / ナイトメア / グレイ / ユリウス / クリスタ / ジョーカー】です。 |
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◆ "おまけ" をプレイすることによって、各【ご褒美CG】OPEN。(CGの回収率には含まれません)
* [ 落ちた穴 ] → 900点以上でCG入手。
* [ 新たな出会い ] → 1プレイ中に、ブラッド + エリオット + ディー or ダムのヒントを見ると入手。
* [ 失ったピースを埋めて ] → 90点以上でCG入手。 |
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何とも……総評の難しい作品でありました。
いえいえ、【作品のストーリー展開】という点では素晴らしく!
これ程までに練られた内容を見せられてしまいますと、『アリス』シリーズにおけるファンの多さも納得至極でございます。
製作者様に愛されている作品なのだなぁ、と感嘆できますので(*^-^*)
が、ストーリー面では確かに「素晴らしい!」と思いはしても、反面、難しいのが……、
【ダイヤの国】で「彼」を最愛とする【アリス自身】をプレイヤーが受け入れられるか、どうか
という心情面だと感じておりました。
まぁ、完全に重ならないにしても「過去」時間の彼らと恋愛する訳ですから、私たちプレイヤーはこれまで(ハートの国やクローバーの国)の彼らを、いわゆる【本体】として眺めてしまい、本作に登場する彼らは、云わば【投影】される存在に過ぎない、という感覚でプレイしてしまう、というのが主なのではないか、と考えますので。
だからこそ、私たちが好きなのは【本来の彼ら】であるのに、本作のアリスは過去時間の彼らこそを最愛として、永住を決意する、という流れに……。
寂しさを感じてしまったりするのです(T-T)
シリーズを通して考えれば、ダイヤの国に行くことは避けて通れないことで、必然の流れなのですけれど、やっぱり切ないなぁ、と…… orz
ーーという感情論でございました^^;
さて、本作自体の客観的な感想を述べるとすれば、まず。
皮切りとなります『ハートの国』の【真相END】のオチが、冒頭からさらっと述べられている
ことに驚きました(;゚д゚)!!
" え〜。こんな、アッサリ言っちゃっていいもんなの〜〜?? " と、思わずにはいられなかったので^^;
ですから、もし、『アリス』シリーズをこれからプレイしてみようかな、とお思いの方は、それこそ順当に【ハートの国 → クローバーの国 → ジョーカーの国】と来て、本作に臨まれることをお勧め致します。
後は……。
これもその「真相END」に関与していることなのですが、本作では、
アリスが【余所者】として厚遇される度合いが格段に下がっている
というのも、要注意かな、と(´人`)
基本、本作の登場人物である彼らは、【自分の嗜好や思考 > アリス】ですから、序盤は特に [ アリスがないがしろにされる ] ということを覚悟された方が良いです。
そんなところでしょうか。
加えて、過去時間である彼らと恋愛する、とは言いましても、Rose様の練りに練られたワンダーワールド観をじっくり堪能することが出来る作品ですから、萌えは確実にございます(≧ω≦)!
と言いますか、本当……。
「肌色展開」が多いかもしれません^^;
もちろん、本作で新登場する彼らとは本作でしか恋愛出来ませんので、それを楽しみに突撃するのも全然ありです!
私自身、凄く惹き込まれるキャラクターに出会うことも出来ました(*^-^*)vvvv
さて、プレイ時間は初周で10時間前後はかかるんじゃないかな、と思います。
2周目以降は既読スキップ、もしくは、選択肢ジャンプを駆使することで、5〜7時間ほどの尺かと。
システム周りは、PSP製品として実に快適でした^^
楽しい萌えばかりが詰まっている作品ではありませんので、万人にお勧めすることは出来ませんが、本作のシナリオは【過去時間の「彼」と恋愛する】という割り切れない内容であるとしても……。
発売順的には、【まだ】『ハートの国』のFDが待っている! ということを心の支えにして(笑)
ワンダーワールドの世界観に一歩踏み込むためには、とても重要な作品だと感じております(*´Ω`*)
(逆に、これだけの「好きなのに、相手は自分のことを覚えていない、知らない」という設定の恋愛ストーリーを味わえる作品は他に類を見ない! と、実は感嘆至極でもありました(*´Д`)) |
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◆ ブラッド=デュプレ(cv.小西 克幸)… 帽子屋ファミリーのボス。外観年齢:25〜28歳。
常に気怠げで、やる気の感じられないマフィアのボス。紅茶と薔薇にかける情熱のみ熱い。
◆ エリオット=マーチ(cv.最上 嗣生)… 帽子屋ファミリーNo.2。外観年齢:22〜25歳。
ウサ耳が生えており人参が大好きな癖に、自分はウサギではないと頑なに主張するマフィアのNo.2。
◆ トゥイードル=ディー&ダム(cv.福山 潤)… 帽子屋屋敷門番の双子。外観年齢:18〜21歳。
ダイヤの国では常に大人の姿でいる。サボる機会と賃金値上げを虎視眈々と狙っている。
◆ シドニー=ブラック(cv.鳥海 浩輔)… ダイヤの城の宰相。外観年齢:18〜23歳。
白色が何よりも嫌いな黒ウサギで、合理性や規律重視の勤勉型。黒色と赤色のオッドアイ。
◆ ジェリコ=バミューダ(cv.小山 力也)… 墓守頭 / 美術館館長 / マフィアのボス。外観年齢:30〜35歳。
役持ちとは言え、役職を3つも抱える磊落な男性。自身のことは【死人】と名乗っている。 |
(2016.06.25 UP) |