大正鬼譚





メーカー

(2013年12月19日発売【PSP】)

QuinRose様。「大正鬼譚」六月一日景一(cv.平川大輔) QuinRose様。「大正鬼譚」嶽屋宗次(cv.吉野裕行)

「大正鬼譚」のバナーに使用されている画像の著作権は、株式会社アートムーヴ様に帰属します。



ストーリー

時は大正時代。
女性の自立はまだ確立されておらず、「女学校」に通うものの勉学よりも婚姻が重要視されていた時代。
つまりは、婚約者が見つかれば卒業の日を待たずとも、学校自体を辞めることが当たり前だった頃ーー。

一代で財を成した父親のため、女学校に通いながらも社交界デビューを果たすこと。
つまりは家柄に格式を付ける婚約のために、いつ女学校卒業を言い渡されるか分からない日々を送っていた八津瀬 琴子に人生の転機が訪れます。
薙刀の稽古の帰り道、突如、異形の者に襲われたことがそれでした。

異形の者は【はぐれ鬼】と呼ばれる、実在はするものの隠れた存在であり、琴子はその「鬼」と主従関係を結ぶことが出来る【主】の素質があると知れたのです。
そのため、主と鬼が各々の能力を高めながら、それぞれのパートナーを見つけることを謳った [ 星稜院 ] への入学を余儀なくされました。

琴子はもともと本意ではない婚約を結ばれること。
目的を持たず亡羊と過ごす毎日に憂えていた、活発な女子でしたから、迷いながらもひとつの転機として入学を受け入れます。
星稜院での毎日は、人間と鬼との関係性。価値観の相違等含め、目新しいばかりの日々。
ですが喜ばしいことばかりではなく、最近になり急激に増えだした自我を失った鬼 -はぐれ鬼- の討伐と真相究明に乗り出すことに。

まだまだ己の能力に目覚めたばかりの琴子と、彼女をサポートする任に就いた「彼」との絆もまた。
当たり障りのないものから、日を追うごとに篤いものへと変化をしていきます。

やがて、はぐれ鬼との総力戦を迎える頃。
琴子の能力は花開いているのでしょうか。
事件は無事に終息に向かうのでしょうか。
そして、「彼」との行く末は、どのような実を結んでいるのでしょうか?



ゲームの流れ

【序章】【01章】〜【14章】【最終章】がゲーム期間。
各章の選択肢により好感度を上昇させ、その累積値によって各種恋愛エンディングを目指します。



システム

主人公の名前変更可能。
(ボイス呼びなし。公式名でも無音か「君」「お前」等に置き換えられます)
主人公ボイスなし。
CG鑑賞&シーン回想機能あり。(シーン回想は充実しています!)
好感度上昇確認システム(いわゆる"愛キャッチ")& 好感度累計値(ステータス画面)あり♪

[ 序章 ] 最後にキャラクターを選択することになり、[ 1章 ] から個別シナリオ展開となります。
会話、行動などを選択肢から選び取っていくテキストタイプの、アドベンチャー形式乙女です。

各キャラクターのエンディングは4種類。
*好感度の累積値によって [ ベスト ][ グッド ][ サブ ][ パートナー ] に分岐。
*
BAD展開はなく、全種が希望の持てる結末です^^
(全てのエンディングにCG&シーン登録あり)
Rose様には珍しく最後に解放される【御褒美CG】有りです(≧ω≦)!
(他にも、[ 四目並べ / 音楽鑑賞 / おまけCG鑑賞 ] が収録)



総評 ★★★☆☆

面白かったです〜^^
安定の「Rose様ワールド」でございました。
作品自体はもうずっと前に購入していて
(多分、まんま発売日)、けれど、少しRose様の販売姿勢に私が勝手に躓いたせいで積んでしまっていたのですよね。
が、Rose様の作風が苦手ではなくなると、何と言いますか無性〜〜にRose様プレゼンツの乙女ゲがプレイしたくなる頃合いがありまして、それで棚から引っ張り出してプレイに至った訳なのです^^
(釈明も長い(笑))

で、肝心の本作の内容はと言いますと。
多分、Rose様お得意の
「相手と対等であろうとすること」。
つまりは、種別が違おうとも価値観の相違が有ろうとも、相手を尊重すべきだというヒロインの思考。
そして、
「主従関係」「寿命の相違」が織り込まれた内容でございました。

主従関係に於きましては、偶々、『新装版 エンパイア』をプレイした後でしたので、ここぞという時のBGMが酷似しており、ますます "うぉー! 主従だ〜〜(≧ω≦)!!" という訳の分からない興奮をしてしまいましたし(笑)
あ。でも、これは言っておかなくちゃ。
作品説明として【契約した鬼は主に盲目的な愛情を覚える】と謳われているのですが……、

そんなことはありませんでした(;´Д`)!

わたし的にはもっとこう……、「激しくてもいいのよ(
ノωノ)vvvv」と期待を懸けてしまうほど、【両想いとなった男女間のそれ】でしかありませんでした。
あ"〜〜、残念!(笑)

そして、「寿命の相違」。
これもRose様の作品でまま見受けられるテーマではあるのですが、本作品は続編があるからでしょうか。
本作自体ではヒロインにあまり深くは関わってきませんでした。
(せいぜい、「寿命は尽きても心に残る何かは必ず在る」と一人ごちるくらいでしょうか)

ですので、
【はぐれ鬼との戦い&真相究明】というスパイスはありましても、安定のRose様クォリティとひと息つけた訳でありまして……^^
正直に言ってしまえば、ごめんなさい! あくまでも私個人の感想ですなのですが(>_<)!!

攻略キャラクターのパンチが弱いなぁ

と感じてしまったのです……(;´Д`)
いえ。勿論ですね、傾倒したキャラクターはおります! もう心底惚れた感じです
////
が、自分の好みピンポイントのキャラクターじゃなくても、登場人物全員に悶えることが多かったRose様作品に比べたら……あまり魅力を感じなかったなぁ、と……。
あぁぁぁぁ、本当にごめんなさい(>_<)!!

ですが、やっぱり世界観は大好きで、物語としても好みでございました^^
恐らく他の方がプレイをしたのであれば、更なる美点を数えることが出来る作品だと思うのです。
けれど、偶には好きな作風の中にも乗り切れない作品があっても仕方ないよね、と思ってしまった訳でもありまして……ごにょにょ。

システム周りはいつもの快適操作を保障!
一章めから個別パートなため、キャラクターに寄り添いながらプレイ出来ます
vv
そのため、どの周回もおしなべて5〜7時間は掛かるのではないでしょうか。
ヒロインも嫌味がなく、「彼」のために能力を高めることを怠らない真面目な性質。
そして、一途な恋心^^

そんな。
一生、違えることのない愛情を保障された作品として安心してお勧めできるかと思います(
*^-^*)



登場キャラ(cv.)

千寿院 司郎(cv.鳥海 浩輔)【主】候補生。
    [ 主 ] 候補生として突出した能力を誇る男子生徒。面影が琴子の幼馴染に似ているような……。


浅ヶ谷内 明史(cv.関 智一)【主】候補生。
    司郎に次ぐ優れた才能の [ 主 ] 候補生。種別を問わず "女性" に優しいため、熱狂的な取巻きがいるほど。


相馬 出流(cv.近藤 隆)【水鬼】
    未契約の鬼の中で優れた能力を持つ生徒。寡黙で的を射た発言をする。実は甘い物が大好物。


伊沢 臣(cv.森久保 祥太郎)【火鬼】
    未契約の鬼の中で優れた能力を持つ生徒。兄貴分として頼り甲斐があり、朗らかな笑顔を絶やさない男性。

嶽屋 宗次(cv.吉野 裕行)【風鬼】
    未契約の鬼の中で優れた能力を持つ生徒。
    異性と話すことが苦手ですぐに赤くなってしまうが、何事にも努力を怠らない真摯な気質。


六月一日 景一(cv.平川 大輔) 星稜院教師。【鬼】
    飄々とした態度を崩さず、いつも斜に構えているような男性。鬼としての能力も群を抜いている。

(2015.06.11 UP)