神なる君と




















メーカー

オトメイト(2011年10月20日発売【PSP】)
「神なる君と」のバナーに使用されている画像の著作権は、アイディアファクトリー株式会社様に帰属します。



ストーリー

これと言った観光名所も特産品もない静かな田舎町。
自分の生まれ育った環境に何ら不満はなく、むしろこの町でずっと暮らしていきたいと仄かに願っている神木咲耶
(16歳。高校2年生)の凪いだ日常が一変してしまう出来事がありました。
幼馴染の住まいでもある国星神社を訪れた際、そこに祀られているはずの本来の神様から「バトンタッチ」を乞われてしまったのです。
突然、現人神へとなってしまうことに戸惑った咲耶でしたが、生来の「なんとかなるよ!」という前向き思考から、より良い神へ成ろうと邁進する日々を過ごすようになりました。

でも、咲耶がしゃかりきに頑張ろうと思えたのは、独りではなかったから。
現人神の誕生となった発端からこれまで、自分を見つめてくれる温かな視線があったからなのです。
自分を心配し集まってくれる仲間と賑やかで幸せな日々の中、今までは気付けなかった「彼」の幽かな異変を感じるようになってきました。
それは折しも、町を挙げた星祭りが近づく頃。

星祭りの夜が「彼」の人生にとって最大の分岐点となる。
「彼」の悩みも、その期日も知ってしまったのに、神なる業ですら運命という大きなうねりの前では無力に等しいのだと打ちのめされた咲耶はーー。
それでも、「彼」の手を決して離さないと誓ったのです。

紅葉の彩色が眩しい季節。
宿命を越え、咲耶と「彼」の縁
(えにし)もまた色濃く染まることが出来るのでしょうか?



ゲームの流れ

【共通 1章〜2章】【個別 1章〜4章】に沿って進んでいきます。
会話による選択肢で好感度パラメーターを蓄積させ、キャラクターとの恋愛ENDを目指します。



システム

主人公の名前変更可能。
但し、公式名でも呼ばれることはありません。無音か「君」「お前」等に置き換えられます。
主人公ボイスはありません。
CG鑑賞 & シーン回想有です。CG鑑賞内にシーン回想機能が付属)
エンディングリスト無し。【愛キャッチ】システム無し。

【共通 1章〜2章】【個別 1章〜4章】に沿って進んでいきます。
股掛けEDは存在しないので、一途プレイが基本。
会話による【好感度】の蓄積値により各種エンディグを目指すアドベンチャー形式。
ミニシナリオとして【願い絵馬システム】がメインシナリオに挿し込まれます。
 (キャラクター1人に対し、絵馬システム3種)
HappyENDをクリアすると【神代絵巻】がOPEN。CG鑑賞等が出来ます。

恋愛EDは2種類。全キャラクターに【HappyEND】【NormalEND】があります。
NormalENDでのCG&シーン回収はありません)
全CG&全HappyENDクリアでご褒美CG解放。



総評 ★★★☆☆

いやもう泣きました。
「泣き」を謳ったタイトルだけあって号泣してしまうシナリオばかりでしたから(T-T)
なので、本当であれば評価を「★3.5」や「★4」でも良いんじゃないの? と自分でも思ったのですが……。以下、ネタバレ含みの感想になってしまうと思いますがご了承ください(´人`)

えぇとですね。個別パートに入った各キャラクターのシナリオは本当に泣けます。
もう、泣きすぎて目がショボショボになったくらい。
でも……。それって。その内容って、
咲耶ちゃんが神様となったこと自体とは関係のない、彼ら自身の出自に由来する事柄が殆どなのです。
一部、咲耶ちゃんが神様であるからこその「事態」というシナリオもあるのですが、そのルートでさえ「神様となったのに、どうして何も出来ないのか」と彼女が葛藤する場面はほとんど無いと感じました。
彼のために神様の私じゃ何も出来ないのなら、「神木咲耶」という自分が頑張るしかない。という思考になってしまうので前向きと言えば前向きなのですけれど、それが返ってせっかくの【神様】という主題を生かし切れていないと残念に感じてしまったのです。

ですので全体評価としましては「★3」にさせていただきましたが、実質、個々のシナリオは感動してしまうこと必至です(T-T)!
前半の共通パートの賑やかな雰囲気も、メンバー皆が仲睦まじくてほっこりしてしまいますし、何より盛り込まれている「笑い」の文章が本当に秀逸(≧ω≦)!!
おっかしくって、深夜プレイに関わらず独りクツクツ笑いながらプレイしてしまったくらいですから(笑)
その共通パートも大きな流れは一緒なのですが、間に挟まれる事件が4種あるので、メインキャラを攻略する間中異なる様相を見せ飽きさせない作りになっていたのも好感が持てました^^

なので、お腹が捩れてしまう程の「笑い」の部分と、各キャラクターが見せてくれる深層部分。
それらをバランス良く楽しめる秀作だと思います!
うん。咲耶ちゃんが神様であることを強く意識せずに、
「ちょっと霊感を持ってしまった少女」くらいの感覚でプレイすると過度な思い入れをせずにシナリオの魅力を堪能できるのではないでしょうか^^
「泣ける乙女」とは言いましても、最後は必ず二人の幸せな姿を見ることができるのも幸せ要因
vv
しっとりした乙女を味わいたい。けれど皆でわいわい楽しんでいるシナリオも読むのが大好き^^! という方にはうってつけな秋の夜長に楽しめる作品だと思います(
*^-^*)
(主人公、咲耶ちゃんも本当憎めなくって可愛らしい子ですよ〜^^)

さらにもう一つ追加事項。
本タイトルの売り要素である、【神となってしまった主人公と紡ぎ出されていく切ない恋愛模様】なのですが……実は、実際にプレイすると少し大袈裟に宣伝されているかな、と思う節があります。
心構えとして知っていた方が肩透かしを食らわない事柄だと思いますので、一応、隠し文字にて置いておきますね^^ 個々のご判断でお読みくださいm(_ _)m
神様となってしまう主人公ですが、実は永続的なものではなくて、【星祭りの夜】までというように期間限定」のものなのです。
冒頭で確かに尊さんもそのように仰っているのですが…。
正直、分かりにくいよっ。サラッと書きすぎだよっ(;゚д゚)!? と苦言を呈したいかも^^;
以上、老婆心ながらの前知識情報でした☆



登場キャラ(cv.)

榊 鳴海 (cv.保志 総一朗) 国星学院2年生。16歳。主人公の幼馴染。
   幼い頃より主人公を大切に想ってきた物静かな少年。人外の存在を視ることが出来る。

二ノ神 弓鶴 (cv.成田 剣) 国星学院3年生。18歳。生徒会長。
   時に猫耳と猫尾を隠し通せない、限りなく【妖】ペーストな先輩。常に高位からの言動をする。

竹清 八雲 (cv.羽多野 渉)国星学院3年生。17歳。主人公の幼馴染。
   人並み外れた運動神経と斜め上を行く思考の持ち主。頼りになるヒーロー的お兄ちゃん。

水庭 苓 (cv.井口 祐一)高校1年生。15歳。幽霊。
   旧校舎に棲みついている、優しく機微に聡い幽霊くん。

天津国星縁尊 (cv.櫻井 孝宏)国星神社に祀られる元・神。
   ゆっくり引退して、天の温泉に浸かるのさっ☆ と、主人公を現人神にしてしまった神様。
   飄々としていて捉えどころがない。

(2011.11.05 UP)