暗闇の果てで君を待つ











メーカー

D3PUBLISHER(2009年10月22日発売【DS】)
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ストーリー

金鳳学院高校に通う主人公・支倉深雪(2年生)は、林間学校に参加していたが体調不良のためバスで下山することに。
主人公とバスに搭乗したのは、責務を負う生徒会長、自分を介抱してくれていた幼馴染み、翌日に試合を控えたテニス部員と、同じ林間学校を抜け出してきた他校生。
そして、引率してくれる教師2名。

ペーパードライバーだと笑う運転手となる実習生の言葉に不安を抱きつつも、何事もなく下山できると思っていた矢先、突如バスが横転してしまいました。
意識不明になった主人公たちが、次に目を覚ましたのは見たこともない山奥にある廃校の一室。
状況が読み込めなくて騒然とする搭乗者一行の上に、響き渡る校内放送でしたが……。
それは【仮面の死神】と名乗る殺人者からの殺人予告だったのです!

殺人者の定めたルールに従って先を進めないと容赦なく命を奪われてしまうことから、主人公たちは決められた時間内に校舎内を次々と移動することに。
暗号に託された謎を解明し、脱出に必要なアイテムを入手しながら主人公は共に行動する「彼」と強く気持ちをひとつにしていきます。
いつ殺戮の手が伸ばされるか分からない極限状態の中で、育まれる明日への渇望と「彼」への大切な想い。
主人公は冷涼な月明かりの下から無事、暖かな陽の射す空を見上げることが出来るのでしょうか。



ゲームの目的

【午後4時】【午後5時】【午後8時】【午後11時】【午前2時】【午前4時】の区切りで進んでいきます。
廃校からの脱出に必要なアイテム探索&会話選択肢による親密度の増減で、死亡エンドにならないよう生存したまま恋愛エンドを目指します。



システム

主人公の名前変更可能。(但し、公式名でも無音声か「お前」「君」等に置き換えられます)
主人公ボイスなし。
イベントCGを一覧できるアルバム機能&シーン回想機能(TrueENDのみ)有り。

【午後4時】【午後5時】共通パート。
  【午後8時】【午後11時】【午前2時】パートナー選択パート。
  【午前4時】個別パート&恋愛ED。
股掛けENDは存在しませんので、一途プレイが基本となります。
各時間帯の区切りで、パートナー選択あり。
会話選択肢によって親密度を増減させ、その値からGoodENDもしくはTrueENDに分岐します。
各キャラクター毎の生存条件を満たさないとNormalENDもしくはBadENDに分岐。
無事脱出するために【探索】【会話】【アイテム】のコマンドを駆使して問題を解決していきます。
【探索】【アイテム】コマンドや会話選択肢に失敗すると主人公死亡エンドに直結。
高坂を除いた全キャラクターに【救出イベント】があり、救出に失敗すると死亡してしまいます。

恋愛エンドは各キャラクター2種類。親密度ゲージ色によって【True】【Good】に分岐します。
(が、エピローグ有り、無しの相違だけなので実質は1種類と見て良いと思います)
CGフルコンプのご褒美CGあり。



総評 ★★★★☆

素晴らしかったです〜〜(≧ω≦)!!

何が素晴らしいって【高坂ルート】ですよ!!
あの内容を乙女に据えて下さったD3Pスタッフの方々の裁量がもうッ、「うわ〜、うわ〜っ。凄い!これは凄い!!」と感動してしまいました。
内容に関しましては元来の乙女主人公設定を大きく覆してしまうものになっておりますため恐らく万人向けではないのでしょうけれど、それでも敢えてその冒険を冒したシナリオには脱帽です。完敗です!
異彩を放つ高坂ルート以外でも勿論。
無事生き延びるための校舎探索は本当に難しかったですが(T-T)、パートナー選択した「彼」が見せてくれるシナリオの数々は極限状態の中だからこそ、よりホッとしてしまうものや、もっと歩み寄りたい! と願ってしまう切実な内容ばかりでプレイに惹き込まれて仕方ありませんでした////

元々が殺人者からの【脱出ゲーム】というコンセプトですので、ミステリー有りき。死亡エンド有りきだろうな、ということは容易に推測されます^^
そこを楽しみながら。時にはCG回収のために涙を呑んで攻略キャラクターを死亡させたりしながら(T-T)、進める乙女アドベンチャーとして群を抜いた作品。
息を潜めるようにしてプレイしてきた後の恋愛エンディングはどれも温かくてほっこりしてしまうこと受け合いです(*´-`*)
(異彩ルートの彼もちゃんと「恋愛エンド」になっておりますので、ご安心をvv

正直、DS媒体ですのでキャラクターの声は音割れしてしまっていますし、セーブにも少し時間がかかります。(ロードは早いです。もちろん、Q.セーブ等も)
が、強いて言えばそこが残念というだけで、サスペンスジャンルの乙女を満喫したい方には本当にお勧めのタイトル^^
1周目はそれなりに時間がかかりますが、2周目からは同じ手順を踏んでいくのでサクサクッと進めると思います。
固唾を呑んでプレイをした後に甘々な恋愛エンドに思いっきり飛び込みたい(≧ω≦)!という、少しの猟奇願望と期待に満ちた乙女内容を同時に叶えてくれる素敵作品でありました(*^-^*)vv



登場キャラ(cv.)

葵 水央 (cv.高橋広樹)金鳳学院高校3年。生徒会長。
   日本屈指の葵財閥の跡取り息子。品行方正、文武両道だが、どこかピントがズレている(笑)

桜葉克己 (cv.岩田光央)金鳳学院高校2年。
   主人公を大切に想っている幼馴染み。
   明朗快活な性格だが行方不明の姉の安否を常に懸念している。

風野太郎 (cv.藤原祐規)羽生田商業高校1年。
   ある事情から金策に没頭する少年。
   人を嘲るような擦れた態度に出てしまうことが多いが、根は誠実。

穂波陽介 (cv.斎賀みつき)金鳳学院高校2年。テニス部。
   口を開くと悪態が飛び出してくる白皙の美少年。虫が苦手。

秋山 朋 (cv.阪口周平)金鳳学院高校2年。テニス部。
   一途で朴訥な性格の青年。パートナーを組んでいる穂波との確執に疲労している。

高坂貴彦 (cv.成田剣)金鳳学院高校化学教師。28歳。
   冷静沈着な唯一の大人である引率者。理路整然とした行動を好む。

(2012.01.13 UP)