CLOCK ZERO 〜終焉の一秒〜
portable


























メーカー

オトメイト(2010年11月25日発売【PS2】)(2011年10月13日発売【PSP】)
「CLOCK ZERO 〜終焉の一秒〜 portable」のバナーに使用されている画像の著作権は、アイディアファクトリー株式会社様に帰属します。



ストーリー

良家の子女、才能ある少年少女ばかりが通う私立秋霖学園。
その初等部に通う九楼撫子(12歳)はこのところ頻繁に不可思議な夢を見るようになっていました。
色溢れるこの世界とは違い、全てがくすみ原型をとどめないーー、それはまるで【壊れた世界】とも言える荒廃した世界の夢。
夢の中の出来事のはずが、やけに現実味を伴い撫子の意識を混乱させていきます。

そんな。夢ではいつも独りの行動を強いられる撫子ですが、一旦目覚めると彼女を待つのは放課後に集う賑やかな【CZ】(シーゼット)のメンバーでした。
それはクラス担任の提案により始まった、「協調性を養うための特別授業」。
異なる学年から集められたメンバーは、事実、見事なまでの協調性皆無の子ばかりで、協調性がない訳ではないと思うけれど、だからと言って周囲に迎合するばかりではない自分の性格を知っている撫子も渋々、課題に取り組んでいくことになります。
ですが、そこで見つけた様々な個性と、次第に培われていく揺るぎない団結力と信頼感。
いつしか撫子は「彼」のことをもっと知りたいと願うようになっていたのです。

元々、「大人びている」と言われていた彼女の顔に笑顔が多くなってきた頃、意外な形で現実世界と【壊れた世界】が集束を始めました。
手を離したくないと思うのに引き裂かれてしまう撫子と「彼」。
目前で入り乱れる「彼」とCZメンバーによく似た異形の男性達。

図らずも「時間」を超越することになってしまった撫子の胸に宿った想いも、伸ばした指先も。
全てを受け止めてくれるのは、現実世界。壊れた世界。
どちらの「彼」なのでしょうかーー。



ゲームの流れ&目的

【episode01〜13 or 15】 の章立てで進んでいきます。
時の停滞を始めてしまった現代を元に戻すことが主人公の目的。
会話による選択肢で好感度を上昇させ、【時空の歪み】値によってルート分岐&【現代】【未来】値によるED内容分岐を辿りながら攻略キャラクターとの恋愛エンドを目指します。



システム

主人公の名前変更可能。
但し、公式名でも呼ばれることはありません。無音か「君」「お前」等に置き換えられます。
主人公ボイスなし。
CG鑑賞 & シーン回想有です。CG鑑賞内にシーン回想機能が付属)
エンディングリスト有り。

episode01〜06 → 共通パート。
* episode07〜08(or 09) → 「政府」パート or 「革命軍」パート。
* episode09(or 10)〜13(or 15) → 個別パート。 に分岐。
股掛けEDは存在しないので、一途プレイが基本。
会話文選択により取得する【好感度】
* キーホルダーのウサギに話しかけるか否かで増減する【時空の歪み値】
* ED内容分岐のための、個別パートでの【現実ポイント】【未来ポイント】
上記パラメーターを変動させて各種エンディングを目指します。
ミニゲームとして【課題】が挿し込まれます。
恋愛エンドをクリアすると【特典】OPEN。

恋愛エンドは2種類。全キャラクターに【現代帰還END】【未来残留END】があります。
* その他に選択肢で分岐する【BadEND】も有り。
(BadENDにCGがあるキャラクターもいます)
全CG&恋愛ENDフルコンプでご褒美CGが、それぞれ1枚ずつ有ります。


◆PSP版追加要素&変更点◆
【スペシャル課題】の追加。 (チビキャラの新規CG有り)
新規ED2種追加!!(レインEND & NormalEND)
CG鑑賞コンテンツに 【CGコメント】追加。キャラクターからのイベント感想が聞けます。
現代帰還END後【後日談】(ボイス有りのショートストーリー)追加。
「現代帰還END」「未来残留END」どちらの後日談もありました!凄い〜(≧ω≦)vv
2周目から「夢」のスキップが可能となりました。
2周目から課題の答えを6択の中から選択できるように変更。



総評 ★★★

うわぁぁぁぁ、凄い(T-T)!!
正直、PS2で発売されたときには、「え? 何故、主人公を始め攻略キャラクターが小学生ばかり? いや…そっちの趣味(ショタ)はないし…」と敬遠していたタイトルだったのですが、実際発売されてみると そんな単純な内容ではないようでしたし、好意的な感想が列挙されていたので気になっていた作品だったのです。
で、移植が決定となった折にそれはもう喜んで予約を入れたのですけれど……。

どっちも好きだよッ(T-T)
小学生の「彼」も、【壊れた世界】の「彼」も選べないくらいに好き(T-T)!!


いや、あの、うん。
撫子ちゃんがトリップした状況自体が特殊なので、厳密には「彼」と「彼」は……、って、これ以上はネタバレ事項に触れてしまいますので自重しますが、撫子ちゃんが小学生の「彼」と培った関係性も、壊れた世界の「彼」と積み重ねていく感情も。どちらも大切でどちらか一方を選ぶのが苦しくなるくらい、攻略キャラクターの魅力が随所に溢れているんです。
主人公、撫子ちゃんの勝気な性格はプレイヤーの方々からの評価が半々のようですが、様々な条件下にあるキャラクター達の立場を鑑みて、彼らの真情を汲み取っていく姿勢が私は大好きでした^^

PSPへの移植に当たり、課題の打ち込みが大変だった(>_<)! とよく目にした点も変更になっていますし、何より後日談&新ED追加要素が嬉しすぎるのではないでしょうか(≧ω≦)vv
個人的には後日談を両エンドver.で楽しみたかったと思うのですが…、それはあまりに贅沢なのでしょうね(*´-`*)

【君のいない世界なんていらない】

このキャッチコピーに感情移入して泣けてしまうくらいの思いの丈の説得力と、このセリフから連想する「歪んだ愛情?」なんてものだけでは決してない純真な思いが底にあったりで、プレイするのがとても楽しかったです!
でも、諸手を挙げてのハッピーエンドはないですし、考えさせることを惜しまないシナリオ内容だとも思うので幸福感溢れるEDを期待してプレイされる方にはお勧めできません^^;

ぽかぽかと温かくなる幼少期の交流。
種々の条件下にあって、その上で愛情を注いでくれる「彼」の揺るがない一途な想い。
それらが気になるのでしたら、お手に取ってみて感動すること必至の作品だと思います(*^-^*)!

*追記*
ネタバレ事項になるかもしれませんので、一部隠し文字にて失礼します。
私自身、実際にプレイするまで気になっていたことなのですが、攻略キャラクターと撫子ちゃんが恋愛する上での年齢設定がどうなるのか知りたい方もいらっしゃるのではないでしょうか?
何と言っても小学生がメインで出てますからねー。(少しレイン口調(笑))
確かに、【壊れた世界】に飛ぶまでの彼らは小学生ですが、そこから先は「10歳、歳を重ねた撫子ちゃん&攻略メンバー」が対象になりますので、恋愛描写においては普通の【乙女】作品と何ら変わりはないと思います(*^-^*) そして、本当に!
小学生の「彼」も、年相応の「彼」もどちらも大切で、どちらかなんて選べないよー(T-T)vv と輾転反側してしまうキャラクターばかりで大変でしたぁぁぁ(ノ≧∇)ノシvvvv



登場キャラ(cv.)

海棠鷹斗(cv.浪川大輔) 秋霖学園6−A。クラスの転入生。
12歳にして父親率いる海棠グループの優秀な研究スタッフの一員である天才少年。
天真爛漫で好奇心旺盛な性格をしている。


加納理一郎(cv前野智昭) 秋霖学園6−A。主人公の幼馴染。
茶道の師範免許状を取得している大人びた、冷静沈着な男の子。

英 円(cv.鳥海浩輔) 秋霖学園5−D。央(なかば)の弟。
兄、央を盲信する少年。頭の回転は速いが、この上ない皮肉屋(笑)

西園寺寅之助(cv.杉山紀彰) 秋霖学園6年生。学年の問題児。
喧嘩っ早い、乱雑な態度が災いして周囲から孤立してしまっている。

時田終夜(cv.石田彰) 秋霖学園5−D。キッズモデルとして活躍中。
眉目秀麗。しかし、口を開くと殿さま口調で斜め上方向を突き進む独特な雰囲気の少年。

(2011.10.24 UP)